その夜鳴き「わがままぼえ」?【きみとさいごまで】

西日本新聞

 前回は認知症と夜鳴きについてご説明しました。夜鳴きがひどいと認知症と診断されることが多いのですが、いつもそうとは限りません。呼んだら反応するし、散歩でもしっかり歩けて、ぐるぐる回る異常行動もないのに、夜になるとほえる―。こうしたケースは、認知症ではなく「わがままぼえ」です。認知症の叫ぶような声とは明らかに違い、普通に「ワンワン」とほえます。

 なぜ、夜間のわがままぼえが始まるのか? 老化も一因ですが「夜中だったら誰かが構ってくれるから」ということに尽きます。

 「年を取ると夜眠れない」というのは実は犬も同じです。夜中に目が覚めて、トイレに行ってからなかなか眠れない。そんな時、何か物音がしたら「誰かいるのか? ワンワン!」とほえます。すると飼い主は「どうしたどうした? 誰かいた?」と起きてきますよね。犬は「あれ? 昼間ほえても来てくれないのに、夜中なら来てくれて、触ってくれた。やった~」となるわけです。

 またしばらくしてほえると「お利口にして! お願い!」とおやつがもらえました。「夜中にほえたら、触ってもらえるし、おやつももらえる。やった~」と学習し、どんどんエスカレートしてしまうんです。

 わがままぼえがひどく、お預かりしたラブラドルレトリバーのレナちゃん(15)の場合、飼い主のおばあちゃんは夜中に触ってあげたり、しっかり散歩させたり、とても努力されていました。寒い日は玄関に入れ、飼い主さんも近くに布団を敷いて、洋服を巻き付けたほうきでトントンしながら寝る!という生活をされていました。

 大事なのは「どれだけほえても無駄」と教えることですが、自宅では夜中にずっとほえるのを放置できないのが現実ですよね。レナちゃんは、飼い主さんが体調を崩され、お預かりする事になりましたが、ホームで夜鳴きが改善して一時帰宅ができました。昼間にしっかり活動させることで、生活リズムが整い、夜鳴きが改善するケースがあります。次回はホームで犬たちがどんな暮らしをしているのか、詳しく紹介しますね。(老犬ホーム「トップ」代表)

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