ホームの集団生活が元気のもと【きみとさいごまで】

西日本新聞

 老犬ホームで、犬たちはどんな暮らしをしているのでしょう。うちのホームでは、仲良くできそうな犬同士を一緒に部屋で遊ばせたり、散歩させたりしています。飼い主の中には「今まで1匹だけで暮らしてきたので、他の犬と一緒は不安」「うちの子1匹だけで管理して」と心配される方もいます。でも1匹だけの生活って、実は一番寂しい状態なんですよ。

 人間が狭い部屋で一日中、誰とも話さず外と連絡もせず、1人で過ごすことを考えてみてください。刺激がなく、楽しいこともないから外出せずゴロゴロしっぱなし。これでは体も弱ってしまいます。心配は分かりますが、きちんとしたホームなら犬同士の相性もしっかり見ます。みんなと遊ぶことで、恋をすることもあります。普段と違う顔を見せるんです。

 ラブラドルレトリバーのクリ君(6)は3年ほど前にお預かりしました。最初は僕や他の犬にかみついていましたが、今は落ち着いています。雄同士でじゃれ合い、寒い日に4匹で丸くなっていることも。最近は好きな女の子ができて、ふられてもめげずにアピールした結果、いい感じになったんです。見つめ合い、前足を重ねて…。

 高齢になっても、好きな子ができると散歩に行くのも楽しくなります。「今日は足腰が痛いし動きたくない」という日も歩くんです。「あの子に会うために!」と。しっかり歩くと、老化の進み方も健康的なんです。

 自宅で1匹だけ飼っている場合も似ていて、いい年の取り方をするには飼い主との触れ合いと適度な運動、食事が大事。特に外で飼われている犬はコミュニケーションが不足しがちなので注意が必要でしょう。散歩の距離や食事の量を、獣医師さんと相談するのもいいですね。

 うちのホームの犬と猫はこうして元気に暮らしていますが、やはり飼い主様が会いに来た時の喜び方は別格です。「時々でいいので会いに来てほしいなあ」と思っているはずですよ。(老犬ホーム「トップ」代表)

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