「作兵衛さんと日本を掘る」、唐津で上映 熊谷監督が舞台あいさつ

西日本新聞 佐賀版 野村 創

 炭鉱の記録画と日記が国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産に登録された福岡県・筑豊の炭鉱記録絵師、山本作兵衛(1892~1984)を題材にしたドキュメンタリー映画「作兵衛さんと日本を掘る」の上映が唐津市京町の映画館「シアター・エンヤ」で始まった。初日の1日には熊谷博子監督が舞台あいさつし、作品に込めた思いを語った。

 映画は、作兵衛の絵さながらに働いた「女坑夫」の人生や作兵衛を知る人々の証言を交え、この国の過去と現在、未来を掘り下げる内容。制作には7年間を要したという。唐津周辺にはかつて炭鉱が立地し、唐津港が積み出し港として栄えた縁もあり、同館での上映が決まった。

 舞台あいさつで熊谷監督は「作兵衛さんの絵の奥にあるものがあまりに深かったので、どう表現できるかすごく悩んだ。一番力をくれたのは絵の中の人たち。あきらめれば、こういう人が私たちの生活を支えてくれたことを伝えられなくなると感じた」と振り返った。

 その上で「私は石炭は掘れないけど、現代の女坑夫になりたい。皆さんも現代の坑夫になり、一緒に足元に埋もれている事実を掘り出し、表に出して、未来につなぐ行動をつくれればいいと思っている」と呼び掛けた。

 鑑賞した唐津市浜玉町浜崎の男性(71)は「亡くなった父親が医師として筑豊や佐賀の炭鉱で働いていたので、興味を持った。炭鉱の負の歴史も含め、地に埋もれているものを掘り出すことは大切だと感じた。母親にも見せてあげたい」と話した。

 上映は12日まで。シアター・エンヤ=0955(53)8064。 

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