「水銀の怖さ伝えられた」 松永さん、スイスで演説

西日本新聞 熊本版 村田 直隆

 スイス・ジュネーブで11月30日に閉幕した「水銀に関する水俣条約」の第3回締約国会議(COP3)で、水銀規制の重要性などを訴えた胎児性水俣病患者の松永幸一郎さん(56)が4日夜、水俣市で報告会を開いた。演説後に会場全体から大きな拍手が送られたことを振り返り「思い切ってスイスに行って良かった。何とか大役を果たせた」と充実感をにじませた。

 松永さんの演説は、開会式典直後だった。英語で自己紹介をした後、松永さんが生まれる前にチッソの工場廃水が水俣病の原因と判明していたことに触れ「もし(廃水を)止めていたら、私の被害もなかったかもしれないと思うと悔しい。人は間違ったことをすると思う。でも、間違いに気付いたら勇気を持って止めてほしい」と訴えた。

 松永さんは普段、水俣病を伝える講話をしていることもあり、演説中も緊張はしなかったという。各国の代表者たちが静かに聞き入っていた様子から「少しは水俣病、水銀の怖さが分かってもらえたと思う」と手応えを語った。その上で「どれだけ規制されるか分からないけど、できたら全世界が水銀使用をやめることを願っている」と話した。

 松永さんと支援者の一行はCOP3の期間中、患者らを撮影した米国人写真家の故ユージン・スミス氏らの作品を展示したブースを設け、水俣病被害の現状を発信。松永さんは、積極的に握手を求めて海外の参加者たちと交流を深めた。

 同行した水俣病被害者互助会の谷洋一事務局長は、会議の結果を報告。水銀で汚染された場所の管理に関する手引書が採択された点などについて「一定の評価はしていいと思う」と語った。一方で、いまだ水銀鉱山の採掘を行っている国もあることに触れ「まだまだ現状は厳しいものがある」と危機感もにじませた。

 次回の会議は2年後、インドネシアのバリ島で開かれる。谷さんは、日本も水銀対策の議論を深める必要性があると強調し「環境省や県と協力し、新潟の被害者とも一緒にちゃんと水俣病を伝えていけたら」と力を込めた。(村田直隆)

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