ご当地ナンバー、福岡なぜない? 九州は6地域で交付

西日本新聞 ふくおか都市圏版 押川 知美

 めんたいこ、もつ鍋、ラーメン、「令和」ゆかりの太宰府、世界遺産の沖ノ島…。福岡には“代名詞”とも言える名産品や名所が数多くある。なのに「どうして福岡には『ご当地ナンバー』がないの?」。特命取材班に疑問が寄せられた。「走る広告塔」とも呼ばれ、観光振興に役立つはずなのに、なぜ。背景を探った。

 自動車のナンバープレートはそもそも、ナンバーを交付する国土交通省の運輸支局や自動車検査登録事務所の所在地を表記する決まり。福岡県内に、福岡▽北九州▽筑豊▽久留米-の4種類があるのはそのためだ。

 地域にちなんだデザインのご当地ナンバーは「地方版図柄入りナンバープレート」と呼ばれ、現在、全国41地域が導入。九州でも、長崎▽佐世保▽熊本▽大分▽宮崎▽鹿児島-の6地域で交付されている。熊本県のPRキャラクター「くまモン」を描いた熊本ナンバーは、申込数が全国1位の人気ぶりという。

 九州各県が活用しているのに、なぜ福岡にはないのだろう。頭を悩ませていると「もともと観光客や財源が多いけん必要ないったい」と先輩記者。でも、京都や東京(世田谷や杉並)など人気の観光地にも図柄ナンバーはある。果たして真相は-。

 福岡県観光政策課にずばり、聞いてみた。担当者は「県内の各市町村に確認したが、要望が無かったので申請しなかったんです」との答え。

 実はこの制度、申請受け付けは2017年度でいったん締め切られている。各地域からの申請を受けて国が交付を認める仕組みで、デザインを決めるのは各地域。対象地域の登録自動車が10万台以上▽地理的名称であり読みやすく覚えやすいもの-などの基準がある。国交省は「基準を満たしていれば全て許可した」という。

 宗像市は、市が独自に導入できるミニバイクの図柄ナンバーに、宗像大社をデザインした。だが沖ノ島の自動車ナンバーについては、「そうした意見や動きは無かった」と担当者は話す。

 新元号「令和」ゆかりのナンバーがあっても人気が出そう。しかし太宰府市も「要望はほぼ無い。別のところで観光振興に力を入れていく」。

 ある国交省関係者は「名産品や名所が多くて、意見がまとまらないのでは」と推測する。県観光政策課も「それぞれ愛着が強い分、選ぶのは難しいですね」と苦笑い。魅力が多いことが、逆に一つに決められない理由になっているのかもしれない。 (押川知美)

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【ワードBOX】ご当地ナンバー

 自動車のナンバープレートを地域振興に役立てる狙いで、国が2006年にスタートした制度。各地域の申請を受けて「新たな地域名」が入ったナンバーを交付する。17年には“走る広告塔”にしようとイラスト入りの「地方版図柄入りナンバープレート」の導入を発表。18年10月、全国41地域で交付された。利用者が手数料に寄付金千円以上を上乗せすればカラー版が交付され、寄付金は地域の道路整備や観光振興に活用される。20年5月ごろには新たに「飛鳥」「伊勢志摩」など全国17地域でも図柄入りナンバーが交付される。

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