【詳報】「地域で生きる仲間として」 外国人労働者との共生シンポ

西日本新聞

 改正入管難民法の施行で、新たな段階に入った在留外国人政策について考えるシンポジウム「外国人労働者受入れと日本の未来~九州・日本の視点から~」(西日本新聞社など主催)が11月26日、福岡市で開かれた。企業や支援団体の関係者らが登壇、新設された在留資格「特定技能」の抱える課題などを指摘し、地域社会の一員として外国人の定着を目指していくべきだとの考えで一致した。シンポの内容を詳報する。

 【第1部】定住を前提に議論を

 公益財団法人「日本国際交流センター」の毛受(めんじゅ)敏浩執行理事が提言。政財界や自治体、研究者らで議論し、制定を目指している「在留外国人等基本法」の要綱案について説明した。

 要綱案は外国人を日本社会の一員と位置づけ、共生社会の実現に向け国や自治体の責務を明確化し、在留外国人に関する施策の計画・策定や財源確保などを求めている。また、事業者の責務として、外国人に日本語学習など、適正な教育訓練を実施することなども求めている。毛受執行理事は「外国人は一時的で安価な労働力という認識を変え、定住を前提に議論していくべき」と訴えた。

 【第2部】進む外国人受け入れ

 コンビニや飲食業など企業関係者のほか、留学生や大学関係者らが登壇し、それぞれの現状や取り組みを発表した。

 セブン-イレブン・ジャパンの安井誠・グローバル人材開発部総括マネジャー

 全国のセブン-イレブンの店舗では、今年8月時点で3万6186人の外国人従業員が働いている。このうち約3万2千人が留学生で、日本全体の留学生の9・5%に当たる数だ。
 業務内容についてやさしい日本語で書かれたマニュアルのほか、働く外国人だけでなく、受け入れる加盟店側に向けた研修も用意し、支援している。  一方で、加盟店側から「店の柱に育った留学生を正社員にしたくても就業ビザが取れない」という悩みも聞こえてくる。特定技能では、コンビニは対象の14業種に含まれておらず、業界全体として国に対応を求めているところだ。

 タケノの竹野孔社長

 外食事業を九州各地の44店舗で展開している。グループの従業員1016人のうち、外国人従業員は12・2%に当たる124人。最初は日本語がおぼつかなくても、他の日本人の従業員とコミュニケーションを取ることでみるみるうちに語学力が上がっていく。

 コンビニ業界と同じく、本人が続けて働きたくても、就業ビザが取れずに帰国してしまうケースがよくある。ネパール出身の従業員が店長を務めている店もあるが、彼は結婚相手が日本人だったので、そうした問題はなかった。

 福岡県留学生会のルー・ヴァン・クオン元会長

 ベトナム出身で、福岡県内の大学に留学。卒業後、日本で起業。福岡にいるベトナム人のコミュニティーづくりに取り組んできた。

 ベトナム人留学生の特徴は、留学しながらアルバイトをしている人が多いということ。社会経験ができるなどの利点もあるが、学業との両立が難しい面もある。

 技能実習生も多い。高い借金を抱えて日本に来る人もいるが、給料が最低賃金だったり、原則的に転職できなかったりと、さまざまな問題があるのが現状だ。留学生が日本で就職を目指す場合も、いわゆる「就活」の仕組みが外国人には分かりにくいなどの問題点がある。

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