フル規格最大の効果 JR九州社長・青柳俊彦氏

西日本新聞 九州+ 布谷 真基 森井 徹

【追う 九州新幹線西九州ルート】紙上「4者協議」(下)

 -佐賀県知事との面談を打診しているが、実現には至っていない。

 「以前はよく会っていたが時間が空いてしまった。これまでに知事が表明してきたことの真意をよく聞いてみたい。担当者レベルでは月2回のペースで協議を続けている。新幹線駅ができることになれば佐賀も魅力が数段アップする。当然、佐賀でもまちづくりをやることになるし、良い循環をつくっていきたい」

 -貸付料の支払いを30年から50年に延ばすことも検討されている。

 「そのようなご意見があることは承知している。これから議論もあると思うが、受益の範囲内ならお支払いするというスタンスは変わらない」

 -少しでも早く新幹線を走らせたいだろうが、スムーズに進んでいない。

 「さまざまなご意見があるだろうから一つ一つクリアしていかなければならない。ただ時間が過ぎていくのは歯がゆい面もあるが、焦って理解がないまま突き進むと、後になって問題が生じてしまう」

 -フル規格での整備になれば新鳥栖-武雄温泉間の在来線はどうなるのか。

 「着工までには決めたいが、現時点で会社として決定していない。そもそもこの区間は何らかの形で鉄道が残るはずだ。順序立てて議論しなければならない」

 -佐賀の在来線を生かせるミニ新幹線ではだめか。

 「検討を重ねた結果、フル規格が最適だという結論に至っている。通勤や通学の太いパイプ(在来線)を工事で止めるのは迷惑をかける。先に開業する武雄温泉-長崎間への投資に見合う効果が発揮できるのも、フル規格だ」 (聞き手は布谷真基)

    ◇    ◇

解決へ知恵出し合う 国交省鉄道局長・水嶋智(さとる)氏

 -与党検討委員会から国、佐賀県、長崎県、JR九州での4者協議を促されたが、まだ実現していない。

 「4者が一堂に会するのが4者協議とは限らない。佐賀県の問題意識を受け止めて協議を始めたい」

 -着工に向けた手続きとなる環境影響評価(アセスメント)の関連費は新年度予算案に盛り込めるか。

 「佐賀県の理解がなければ筋が通らないとの判断で、8月の概算要求は見送った。制度上は予算計上できるが、プロジェクトは佐賀県のゴーサインがないと実現しない。十分な議論ができていない状態で予算要求し不信感を買ってはプラスにならない。政府案が決定するまで佐賀県の理解を得る努力を続けたい」

 -予算を計上できない場合は。

 「整備新幹線で未着工区間があるのは西九州と北陸だけだ。北陸はアセスメントが進んでおり、次は財源の議論になる。西九州でアセスメントができないと議論に乗り遅れ、取り残されるリスクがある。高速鉄道で全国につながる意味は大きい。九州全体の将来を見据え、全国の鉄道ネットワーク整備のスケジュールを意識した議論が必要だ」

 -佐賀県知事はゼロからの議論を望んでいる。

 「フル規格とした与党の決定は重いが、知事の意向を丁寧に聞きたい。財政負担や並行在来線などに懸念があるだろうし、長崎に比べて佐賀の費用対効果が小さいとの声も聞く。いずれも関係者が知恵を出し合えば解決できない問題ではない。問題を一緒に解決するための話し合いをしたいと強く望んでいる」

 (聞き手は森井徹)

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