佐賀の迷惑サル、ついに「御用」 7カ月居座り、作物食い荒らす

西日本新聞 佐賀版 金子 晋輔

 市街地に近い佐賀市諸富町の平野部で4月末から軒先の果物や作物を食い荒らすなどの迷惑行為を繰り返していた野生の雄サルが11月下旬、捕獲された。人をあざ笑うかのように逃げ回り、7カ月も居座っていたが、最後は暴漢対応のネットでお縄に。ようやく地域に平穏が訪れそうだ。

 11月21日午後4時半ごろ、同市川副町早津江の住宅街。市川副支所職員の横尾平和さんと山本和樹さんが巡回していると、地元住民に声を掛けられた。「サル、いたよ」。急いで現場に駆けつけると、道路上でサルが近くの女性を威嚇していた。大きな網を持って近づく横尾さんに驚き、すぐに逃げ出した。

 このサルが同市諸富町為重や寺井津に現れたのは4月末。軒先に実ったビワを次々と食べ、9~10月には大豆畑を荒らした。10月下旬からは隣接の川副町早津江の各民家でこしらえていた干し柿が狙われた。

 「子どもたちが怖がっている」。川副支所に相談が相次いだ。市民の不安を解消しようと巡回部隊を結成し、早津江地区をパトロール。多い日には十数人で捕獲を試みたが、取り逃がしていた。

 横尾さんと山本さんも、このサルを見たことはあっても、近づくところまではいかなかった。

 「今度こそ」。2人は二手に分かれて、逃げたサルを追跡。山本さんが民家駐車場にいるサルを見つけた。逃げるどころか、威嚇し、じりじりと近づくサル。その距離2~3メートルほど。山本さんは「秘密兵器」を出した。

 護身用のネットランチャー。引き金を引くと網が飛び出し、サルの左足を捉えた。サルは慌てて逃げ出そうとしたものの、暴れれば暴れるほど網は絡まり、ついに観念。午後4時45分に“逮捕”された。

 「市民が困っていたのでなんとかしたかった。捕獲はたまたま」と横尾さん。11月22日、市は専門家のアドバイスを受けて市内の山奥にサルを放した。おりでおとなしくしていたサルは、山を勢いよく駆けていったという。

 市は一連の迷惑行為について、このサルの“単独犯”とみる。諸富町の40代女性は「捕まったと聞いて一安心。ただ、サルはほかにもいると言う人もいる。油断はできない」と話す。(金子晋輔)

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