第九コンサート10回目 直鞍地区につながる絆 22日、直方で本番

西日本新聞 筑豊版 安部 裕視

 直鞍地区の幅広い世代が集い、ベートーベンの交響曲第9番を歌い、演奏する「ハート トゥ ハート 第九コンサート」が22日に直方市山部のユメニティのおがたで開かれる。宮若市の誕生を記念し、「第九inみやわか」として始まってから10回目の開催。7月から4市町を巡りながら40回近く重ねてきた練習も大詰めに入った。

 第1回開催時の発起人でアルト歌手の加護ひかりさんは「参加者はみんな、家族のよう」と言う。「当初から『第九を歌う』でなく、『人とつながること』が目的だった。いま、たくさんの人が音楽でつながっているのがうれしい」

 第1回の会場だった宮若市のマリーホール宮田でオーケストラ「Blas Orchester みやわか」と合唱団の今年初の音合わせが1日に行われた。その合間に、指揮者で総監督の辰井正明さん(53)が老若男女の歌い手たちに言葉を向けた。「自分と同じ音を、楽器を演奏する誰かが持っている。それを探し、乗っかれば、歌いやすい」

 辰井さんは第1回から指揮を執る。「皆さんと音を作り上げていくのは、私にとって生活の一部」と明かす。2町合併で一つになった宮若市民による合唱と合奏が7年前から直鞍に広がり、「第九」でつながっている。今年のオーケストラには、直方高吹奏楽部が初参加する。部長の光野夢唯(むい)さん(16)は「合唱付きの大曲を演奏できるのは、技術を高めるいい機会になる」と本番を心待ちする。

 2016年の熊本地震後、被災地の復興を祈って「ハート トゥ ハート」とコンサート名を変更。合唱の指導もする加護さんは「人と人が手を取り合い、助け合う。そんな思いを込め、(参加者に)『家族になりましょう』と呼び掛けてきた。毎年12月のコンサート後に解散するけれど、今年も7月からの練習で絆を確認できた」と話す。

 日本語で歌う「第九」(第4楽章)は「歓喜の歌」。高校2年の孫娘とともに第1回から参加している宮若市の桑原和子さん(83)は「10回目を迎え、感慨深い。これからも歌い続けたい」と意欲を表す。節目について、辰井さんは「通過点」、加護さんも「次へのステップ」と位置付ける。全員で歓喜を分かち合うステージの最後に披露する東日本大震災の支援ソング「花は咲く」のさびの部分に、今年は手話を添える。「耳が不自由な人ともつながりたい」と願いながら。(安部裕視)

ハート トゥ ハート 第九コンサート 22日午後2時から約2時間を予定。開場は同1時。「音楽の玉手箱」と題した第1部で、江戸時代に直方藩主が篤く信仰したとされ、3年に1度御神幸が行われる宮若市の天照宮の「天照宮伶人」が雅楽を演奏、インドネシアからの留学生が伝統踊りを披露する。第2部では、ソプラノ、アルト、テノール、バリトンの各プロ声楽家を交えて「第九」のコンサート。入場料は前売り900円、当日1000円、高校生以下無料。ユメニティのおがたなどで入場券を販売している。

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