戦争に突き進んだ時代感じて 開戦の日にSP盤音楽会 東峰村

西日本新聞 社会面 横山 太郎

 戦時中に流行した歌謡曲や軍歌などをSPレコードと手回しの蓄音機で聴く音楽会が8日午後1時から、福岡県東峰村宝珠山の旧宝珠山中校舎で開かれる。この日は太平洋戦争開戦の日。企画した村在住の春日井孝子さん(71)は「国全体が戦争へと突き進んだ時代の曲を聴きながら、社会を覆っていた空気を感じ取ってほしい」と話す。

 音楽会のテーマは「戦争と空気」。日露戦争で名を刻んだ日本陸軍大将・乃木希典作の「凱旋(がいせん)」や「麦と兵隊」「兵隊さんよありがとう」「別れのブルース」「湖畔の宿」など春日井さんのコレクションから選んだ47枚のSPレコードをかけ続ける。

 会場の校舎は1990年代に映像制作集団「記録制作・手仕事舎」を主宰する故田村悟史さんが村から借り受け、文化や音楽の発信拠点として活用。長年にわたり上演会などが開かれてきた。

 春日井さんは手仕事舎の一員として約15年間、運営に携わった。一度は村を離れたが、田村さんの死去後も運営を続けてきた田村さんの妻が校舎を村に返したことを知り、「地域の記憶をとどめた場所を残したい」と2015年、村に移り住んだ。ジャズや映画音楽など、テーマを変えながら定期的に音楽会を開いてきたが、校舎の老朽化が進み管理が難しくなったため、今回の開催を最後にピリオドを打つ。春日井さんは「歴史を刻んだ校舎の雰囲気も一緒に味わってもらえたらうれしい」と語る。

 SPレコードは、明治期から戦後間もないころまで主流だったが、LPの登場などを受け製造中止に。生の歌声や演奏に近い聴き心地を楽しめるのが特徴で、アナログの響きを懐かしむファンも少なくない。

 音楽会は計約3時間を予定する。春日井さんは「数多く聴くことでSPが醸し出す当時の空気感をつかめるはず。戦争を考えるきっかけにしてくれたら」と願う。会費千円。 (横山太郎)

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