地島の天然ワカメをブランド化 消費者向け初キャンペーン

西日本新聞 ふくおか都市圏版 床波 昌雄

 国内で流通するワカメの中でも貴重な天然ワカメ。その産地の一つが宗像市の離島、地島だ。宗像大社(同市)を通じ皇室に献上されることでも知られる。地島では現在、ブランド化を目指す取り組みが続く。11月30日、市と宗像漁協地島支所が初めて催した消費者向けキャンペーンに参加し、その味と産地の魅力を確かめた。

 「地島で地島天然わかめを味わおう!」と名付けられたキャンペーンには、福岡市や久留米市などから20人が参加。地島について説明を受けた後、ワカメを収穫する「曽根」と呼ばれる島の南東海域を見学した。幅約40メートル、長さ約750メートルの海域は水深1~3メートルと浅く、響灘と玄界灘がぶつかり合って常に白波が立っている。「波によってワカメは常に葉を広げた状態になり、浅瀬なので太陽の光をたっぷり浴びて育つ。肉厚で歯ごたえが良く、滑らかなのが地島ワカメの特徴」。ワカメ漁師の前田浩昌さん(53)が力を込める。

 ブランド化の狙いは、「島で生まれた子どもたちが島で生きていけるように」との願いだ。1955年に約560人いた人口は現在約150人まで減少。この流れを断ち切ろうと2016年、漁師ら約20人で勉強会を結成した。3~4月半ばの漁期のうち、3月に採れた上質なワカメを原料に塩蔵工程を統一し、「地島天然わかめ」のパッケージで販売。徐々に知名度を上げているという。

 天然ワカメを育む海域を見た後は、元旅館に移動し、他産地の養殖ワカメとの食べ比べだ。地島のワカメは葉が厚く、口にするとその差は歴然。続いて大島(宗像市)の地域おこし協力隊員でフードコーディネーターの近藤智子さん(45)が考案したワカメ尽くしメニューがテーブルに並ぶ。地島の天然ワカメとサトイモのコロッケ、ハツカダイコンとの甘酢あえ、今は捨てられることが多い茎ワカメを使った炊き込みご飯…。どれも風味が豊かで、特に茎ワカメはシャキシャキして歯ごたえも十分だ。

 海岸清掃に取り組む宗像市のNPO法人「live together」理事長の大上久美子さん(47)は、次男の蓮人(れんと)君(10)と参加。「これまでのワカメとは比べものにならないぐらいおいしい」と、すっかり地島の天然ワカメのファンになったようで、「人が温かく島も魅力的。ぜひ連携して島を盛り上げたい」と意気込んでいた。 (床波昌雄)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ