【アフガンの地で 中村哲医師からの報告】緑の地平線に希望重ね

西日本新聞 一面国際面

 見渡す限りの小麦畑が果てしなく地表を覆う。緑の地平線がかなたの天空と接する。これを待っていたのだ。今、私たちPMS(平和医療団)の農場(約200ヘクタール)は、次々と訪れる豊作の予感に沸いている。

 クナール川からの用水路が開通して5年。多くの難関があった。砂嵐が一夜で作物を埋め、つぶす。気まぐれな洪水が表土を洗い流す。25キロ先の取水堰(ぜき)が洪水で壊れ、ガンベリ砂漠まで水が届かない。流域が荒廃すると、帰郷した農民は再び難民化する-。危機感が重くのしかかった。

 砂嵐には20万本の砂防林を延々5キロに植えて成長を待ち、取水堰は毎年改修を重ねて賽(さい)の河原のような努力を続けた。見通しがついたのは一昨年。長い抗争で手が付けられなかった対岸カシコート住民との和解が成った。取水堰の全面改修に着手。今年3月に「連続堰」が完成し、両岸の安定灌漑(かんがい)が保障された。PMSの「緑の大地計画」の頂点と言えるものである。

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