「自衛隊来るほうが危険」アフガンで人道支援の中村哲氏 集団的自衛権行使に懸念

西日本新聞

 アフガニスタンで医療活動や灌漑(かんがい)水利事業などの人道支援を30年間続けている非政府組織「ペシャワール会」(事務局・福岡市)の現地代表中村哲氏(67)は15日、西日本新聞の電話取材に応じ、集団的自衛権が行使された場合、安倍晋三首相の主張とは逆に、海外で邦人が危険に巻き込まれる可能性が高まることを指摘。憲法9条の存在が国際社会での日本の立場を高めていることを強調した。(聞き手は上野洋光)

 アフガニスタン人にとって、日本は軍事行動に消極的な国だと思われています。一言で言うと敵意のない国。これは自衛隊の行動を縛ってきた憲法9条の威力です。

 アフガニスタン人も、日本には他国の戦争に加担しないという「掟(おきて)」があることを知っています。

 アフガニスタンで活動する中で、米軍のヘリコプターに撃たれそうになったり、米軍に対する反政府側の攻撃に巻き込まれそうになったりしたことはありますが、日本人だからという理由で標的にされたことはありません。この「掟」があるからです。

 今、活動拠点のアフガニスタン東部のジャララバードには私以外、外国人はいません。大勢いた欧米の人は逃げ出しました。米同時多発テロの後、米国を中心とする多国籍軍が集団的自衛権を行使し、軍服を着た人々がやって来てから、軍事行動に対する報復が激しくなり、国内の治安は過去最悪の状況です。

 アフガニスタン人は多くの命を奪った米国を憎んでいます。日本が米国に加担することになれば、私はここで命を失いかねません。安倍首相は記者会見で「(現状では)海外で活動するボランティアが襲われても、自衛隊は彼らを救うことはできない」と言ったそうですが、全く逆です。命を守るどころか、かえって危険です。私は逃げます。

 9条は数百万人の日本人が血を流し、犠牲になって得た大いなる日本の遺産です。大切にしないと、亡くなった人たちが浮かばれません。9条に守られていたからこそ、私たちの活動も続けてこられたのです。私たちは冷静に考え直さなければなりません。

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