【アフガンの地で 中村哲医師からの報告】恵みの雨… 一転濁流に

西日本新聞 一面総合面

 7月27日から降り始めた雨は、断続的に集中豪雨となり、アフガニスタン東部を広範囲に襲った。渇水に悩んできた地域では、最初、恵みの雨のように思われたが、今年は異例であった。山腹まで覆う厚い雨雲が上空にとどまり、幾日も去らなかった。

 「まるで冬の雨のようだな」

 農民たちは不安げに空を見上げた。アフガンでは、例年なら冬が本格的な雨期で、穏やかな小雨の日が数カ月訪れ、大地を潤し、高山に積雪を加える。夏は、いわゆるゲリラ豪雨で、ごく短時間に気まぐれな雨を山沿いにもたらすだけだ。夏の農業を支えるのは、冬の積雪に由来する豊富な河川水である。

 今年は例年並みの積雪があり、皆安心しきっていた。時たま襲う局地の雨は歓迎する者が多かったが、曇天と尋常でない降雨領域に、次第に不安を募らせた。

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