「スペーサ」工事活用件数九州一 中央産業 星型でひび割れ抑える

西日本新聞 筑豊版 田中 早紀

 プラスチック製造業「中央産業」(飯塚市)が手掛ける「高強度星型プラスチックスペーサ」が、国土交通省九州地方整備局管内に本社がある企業が開発した新技術の中で、昨年度に工事で最も活用件数が多い製品となった。九地整が集計した。鉄筋コンクリート構造物の建設時に、型枠と鉄筋の間の隙間を保つ製品で、従来の円盤型ではなく星型にして、コンクリートのひび割れを抑えることに成功した。

 自動車部品を手掛けていた同社は、2003年ごろから鉄筋加工も請け負うようになった。塚本順社長(66)はその過程で、鉄筋コンクリートの内部に水が染み込み、内部の鉄筋がさびて表面にひびが入ったり、壊れたりするケースがあることを知り、新しいスペーサの開発に着手した。

 従来の円盤型は、スペーサ上部に生コンクリートに含まれる砂利が引っ掛かってたまり、スペーサ下部に空洞ができることがある。スペーサ自体の熱膨張により、コンクリートの表面に微細なひびが入り、水が染み込むと、空洞に水がたまって、さらなるひび割れや耐久性の低下などにつながるという。

 同社は、相談した近畿大産業理工学部(飯塚市)の教授から、砂利が引っ掛かりにくい星型デザインの提案を受け、県工業技術センター化学繊維研究所(筑紫野市)と実験を重ねた。08年に角が五つあるタイプの製品を商品化。材料にはペットボトルキャップや廃家電などの廃材を活用、熱膨張しにくい製品に仕上げたのも特徴だ。

 その後、角が六つあるタイプも商品化し、昨年度までに累計5千万個を販売。ただ、市場占有率は1~2%程度といい、塚本社長は「全国に商品を知らない人もまだいるので、販路を広げていきたい」と話す。

 塚本社長は3日、開発に携わった塚本大常務(42)と金属加工事業部の安藤義純次長(64)とともに飯塚市役所を訪れ、九地整がまとめたランキングで1位になったことを報告。片峯誠市長は「地元としてうれしく思う。産学官連携のモデルケースが生まれるよう発想、ノウハウをご教示いただけたら」と述べた。(田中早紀)

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