長井遺跡、石棺墓一部保存へ 行橋市 出土品近く公開も

西日本新聞 北九州版 石黒 雅史

 行橋市は、考古学の定説とは異なる弥生時代の箱式石棺墓が出土した長井遺跡(同市長井)の重要性を考慮し、石棺墓の一部を市歴史資料館(中央1丁目)などに移設・保存することを決めた。近く出土品や調査成果などを公開する「発掘調査速報展」の開催も計画している。

 長井遺跡は、長井浜海水浴場に隣接する約180平方メートルの砂地から、家族か一族の墓とみられる箱式石棺墓が35基、密集して出土。うち3基は板状の石で内部を2、3カ所に仕切っており、弥生の埋葬に見られなかった形態という。屈葬のように膝を曲げた形で骨が見つかるなど、貴重な研究材料とする専門家は多い。

 だが発掘調査は、市が整備を進める長井浜公園の接続道路建設が目的。調査期間は10月15日から2カ月限定のため、石棺墓は写真と図面で記録して既に撤去。遺跡は埋め戻され、近く道路建設工事が始まる。

 このため市歴史資料館は3基を運び込み、施設内の花壇で屋外展示する準備を進めている。(1)内部が三つに仕切られた石棺(2)仕切りのない比較用の石棺(3)ふた石をかぶせた石棺-の3基を並べて展示する予定。

 内部中央に仕切りがあり、最も貴重とみられる最大(室内の長さ約2メートル)の石棺は保存場所を市が検討中。長井浜公園内との意見もあるが、遊び場に墓を展示することの抵抗感や、管理の方法など課題は少なくないという。

 市によると、道路を含む公園の完成は来年3月末(供用開始は同7月)で、最大石棺墓の保存場所探しも猶予はあまりない。(石黒雅史)

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