脳梗塞、まひ克服の大衆演劇役者「待つ人のために舞台へ」

西日本新聞 社会面 長田 健吾

 大病からの再起を目指す大衆演劇役者の玄海竜二さん(63)=熊本市=が18日、同市中央区の熊本城ホールで本格的な復帰公演に臨む。後遺症がある体にむち打ち、懸命にトレーニングに取り組むのは「待っている人がいるから」。心臓が止まっても戻ってきた男が、再び舞台に立つ。

 6日、熊本市の病院。玄海さんは歩行訓練や筋力トレーニングに汗を流していた。今も右半身にまひが残るものの、週5日のリハビリでかなり回復。つえをついて自力で歩けるようになった。

 1956年、大分県杵築市生まれ。両親も旅役者で、4歳で初舞台。15歳の時に玄海竜二として座長を襲名した。38歳で九州演劇協会の会長に就任した後は、米国やブラジルなどでも公演を重ねるなど、大衆演劇の魅力を発信し続けてきた。

 脳梗塞で倒れたのは2017年8月、横浜市での公演後のことだった。意識不明になり、3回心肺停止状態に陥ったが一命を取り留めた。半年後には誤嚥(ごえん)性肺炎で心肺停止状態になったが、蘇生措置によって命は助かった。

 再び舞台に上がろう。そう決意したのは、リハビリの様子を取り上げたテレビ番組を見た、ファンからのメッセージがきっかけだった。「あなたが頑張る姿を見ると、私も力が湧いてきます」。心に深く響いた。「こんな俺でも人の役に立てるのか」

 「玄海竜二復活祭」と銘打つ舞台の演目は「還暦」。娘と息子が親の還暦祝いで久しぶりに集う物語で、主役の玄海さんは障害のある車いすの長男を演じる。「自分が障害者になって初めて見える景色がある。それを表現したいんだ」と玄海さん。「待っててくれる人たちのために頑張る。死ぬのは舞台の上で、って決めているから」と、穏やかに笑った。サプライズの演出も用意しているという。

 公演は18日午後1時と同5時半。沢柳企画(平日のみ)=092(732)7184。(長田健吾)

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