天皇陛下の即位に伴う儀式「大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀」

西日本新聞 社会面 岩尾 款

 天皇陛下の即位に伴う儀式「大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀」が終わった。新天皇が国と国民の安寧や五穀豊穣(ほうじょう)に感謝するという。米は大陸から伝わって、日本人の主食となった。先人は生産量を増やそうと干拓などで新田を開いた。先日、佐賀平野の見渡す限りの干拓農地に立って、あらためて努力の大きさを感じた。

 一方、不作になると塗炭の苦しみを味わった。作家の帚木蓬生(ははきぎほうせい)さんが江戸時代の筑後地方を描いた小説「水神」では不作の年、農民が山に入ってワラビの根や松の皮を食料にする場面がある。かんがいのためせきを築く実話が基の小説。米を求める努力は飢えの恐怖と表裏一体だった。

 今年、九州の米はまれに見る不作。佐賀では「これじゃ経費も出らん」と農家の嘆きを聞いた。ただ消費の減少もあって米不足にはならなさそうだ。豊かさの証左か、伝統の変容か。先人は米余りの現代をどうみるだろうか。(岩尾款)

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