永久凍土の中で数万年の眠りについていたマンモスの生々しい姿が…

西日本新聞 オピニオン面

 永久凍土の中で数万年の眠りについていたマンモスの生々しい姿が見られると聞いて、福岡市科学館の「マンモス展」を訪ねた。長い牙が大きな円を描く頭部や、寒さに耐える毛が残っている鼻…。氷雪の大地をのっしのっしと歩く光景が浮かぶ

▼氷河時代の王者、マンモスはなぜ滅んだのか。人類が狩り尽くしたとも、気候の変動が主な要因だったとも。マンモスが急激に数を減らした時期は、地球環境が「寒冷で乾燥」から「温暖で湿潤」に変化した時代という

▼マンモスが好む草原は森林となり、すみかを失ったマンモスは移動しながら数を減らした。約1万年前にユーラシア大陸から姿を消したとされる

▼温暖化が種の絶滅につながった-のであれば、現代の地球の王者、人類もぼんやりしてはいられない。まさに今、世界の国々が集まって温暖化問題を話し合う国連の「COP25」が開かれている

▼「人類は気候の危機に直面している」と議長は訴え、スウェーデンの16歳の少女を先頭に、若者たちが「地球を守れ」「若者の未来を奪うな」と声を上げる。だが、温室効果ガスの大量排出国の動きは鈍い

▼発掘した標本からクローン技術でマンモスを復活させる研究が完成に近づいているそうだ。そんな科学力を持つ人類である。地球環境が「酷暑で災害多発」となるのを止めることもできよう。目先の利害より未来の「絶滅」を真剣に考えさえすれば。

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