なぜ?色とりどりの点字ブロック 熊本のバスターミナル

西日本新聞 熊本版

 ◆多様な障害者に配慮

 赤、緑、青-。大型商業施設「サクラマチ クマモト」(熊本市中央区)と一体となった熊本桜町バスターミナルに、カラフルな点字ブロックが設置されている。路線バスの方面で色分けすることで利便性を高めるアイデアだが、視覚障害者側には「なぜ、弱視の人にも見えやすい黄色にしないのか」との疑問もある。では、黄色に作り替えれば解決するのかというと、実は、そう単純な話ではないようだ。

 今月2日、サクラマチ前。県立盲学校PTAが視覚障害者への理解を求め、ビラを挟んだポケットティッシュを配っていた。吉野栄PTA会長(67)は「点字ブロックを利用するのは全盲の人だけではない。弱視の人にも見えやすいよう赤や緑、青ではなく黄色にしてほしい」と訴えた。

 サクラマチの正面玄関をくぐり、まっすぐ進むと熊本空港、JR熊本駅などへのバス乗り場がある。そこは「赤」で色が統一され、点字ブロックは確かに真っ赤。別の県庁方面行きは「緑」、郊外向けは「青」で統一され、点字ブロックも見慣れない緑や青だった。

 サクラマチやバスターミナルを運営する九州産業交通ホールディングス(HD)の広報は「デザイン性や利便性だけで決めたわけではなく、障害者団体にもチェックしてもらっている」という。施設のチェックに関わった団体に確認したところ、「なぜ」の理由が見えてきた。

 施設チェックの窓口は、県内の障害者や家族会など32団体でつくる「熊本障害フォーラム」。視覚や聴覚の障害、身体障害、知的障害、発達障害などさまざまな障害者団体が連帯し、2017年からサクラマチ側と何度も意見交換を重ねてきたという。

 フォーラム事務局の植田洋平さん(29)は「弱視の人にとっては黄色がベストという認識。一方で知的障害や発達障害の人にとっては赤、緑、青で乗り場を案内するほうが理解しやすいケースもある。子どもや高齢者も分かりやすい」と説明する。

 フォーラムに加盟する県視覚障がい者福祉協会の茂村広事務局長(47)は「他の団体とすり合わせた結果」と受け止める。その上で、茂村さんは「視覚障害者は音で判断することも多い。建て替え前の『熊本交通センター』時代はバスの騒音がひどく、車道に落ちそうになったこともあった。新ターミナルは待機場所と車道を自動ドアで分けるホームドアがあり、静かで転落の危険はなくなった。大きな前進だ」と喜ぶ。

 植田さんは「すべての障害者にとって満点の施設を実現するのは難しいが、案内表示や多目的トイレの設置など、多くの要望を取り入れてもらった」と評価。九州産交HDの広報は「施設は完成がゴールではない。今後も利用者の意見を反映させ、成長させていきたい」としている。

(古川努)

熊本総局が移転しました

熊本総局 移転先地図

西日本新聞熊本総局が移転しました。新しい総局は、熊本市中央区の熊本桜町バスターミナルに近い坪井川沿いです。電話、FAX番号も変更となりました。

▼移転先
住所 〒860―0805 熊本市中央区桜町2番17号第2甲斐田ビル9階
電話 096(323)1851
FAX 096(323)1853

熊本県の天気予報

PR

熊本 アクセスランキング

PR

注目のテーマ