被災、復旧体験を短大で授業 武雄市の児童支援事業所

西日本新聞 佐賀版 梅本 邦明

 被災者の気持ちに寄り添ってほしいー。8月の記録的大雨で被災した武雄市北方町の児童支援事業所「ガラパゴス」の運営者が11日、佐賀女子短大の特別授業で、被災から事業再開までの歩みを語った。学生からは励ましのメッセージカード入りのタオルが贈られた。

 4月開所のガラパゴスは小柳由加里さん(37)が運営。障害児が利用できる放課後等デイサービスなどを手がけ、6~18歳の28人が利用する。

 8月の大雨で事業所は1メートル以上浸水。利用者が大切に育てた花やパソコン、ファクスなどが水に漬かった。小柳さんは「何から手を付けたらいいんだろう」と立ち尽くした。室内にはかびが生え、汚泥や油の臭いが鼻を突いた。

 室内の水はポンプでくみ出し、タオルで吸い取る作業を繰り返した。ただ、油の臭いは消えず「嗅覚が敏感な障害児はここには戻ってきてくれないのではないか」と不安がよぎった。

 9月中旬に事業所の解体を始めたが、施工業者の人手が足りず、再建は思うように進まない。「子どもたちが困っているから急いでほしいと言いたくても、周囲は同じ境遇の被災者ばかりで『苦しい』と声を上げにくかった」と明かした。

 11月11日にようやく事業を再開。被害総額は約1800万円に上った。「先の見えない復旧作業で支援者たちが心を寄せてくれて支えになった」と小柳さん。学生に「被害を体験していなくても、被災地を想像し、寄り添う気持ちを持ってほしい」と呼びかけた。

 学生は災害支援団体から提供されたタオルに「心をひとつに一歩前進」「笑顔」などと書いたメッセージカードを添え、33セットを贈呈した。こども未来学科1年の宮崎華さん(19)は「テレビで見るより被害の大変さが伝わってきた。自分にも被災者に何ができるかを考えたい」と話した。 (梅本邦明)

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