ペシャワール会「前向く」 中村哲さん告別式で誓う

西日本新聞 一面

 アフガニスタンで殺害された福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表の中村哲医師(73)の告別式が11日、同市中央区の斎場で営まれた。会によると、全国から約1500人が参列。戦乱と干ばつで荒廃したアフガンやパキスタンで35年にわたって医療活動やかんがい事業を続け、大勢の命を救ってきた故人の遺徳をしのんだ。香典は全額、会に寄付してアフガン復興に充てる。

 告別式は家族とペシャワール会による合同葬で、喪主は長男健さん(36)、葬儀委員長は村上優会長(70)。会や参列者によると、祭壇には数年前に現地で撮影された遺影が飾られ、ひつぎにはアフガンの国旗がかけられた。中村さんと共に殉職した運転手と護衛らの遺影も飾られた。

 参列者が黙とうをささげた後、女優吉永小百合さんのナレーションで中村さんの取り組みを紹介する映像を上映。追悼の辞で、村上会長は長きにわたる中村さんとの歩みを振り返りながら「先生の意志を守って事業継続に全力を挙げ、先生がされていたように遠い先を見つつ、後ろを向かず前を向いて歩む」と誓った。

 バシール・モハバット駐日アフガン大使や学生時代の同級生らが弔辞を述べた。上皇さまと上皇后さまをはじめ、各界から弔電が寄せられたことも紹介された。長男の健さんが親族を代表してあいさつした後、参列者が献花を行った。

 場内はむせび泣きの声がやまず、斎場の周辺には会場に入りきれない人が列をなした。会によると、会場に1300人、場外には200人近くが訪れたとみられるという。

 中村さんは福岡市出身、九州大医学部卒。1984年に現地で医療活動を始め、アフガンとパキスタン両国に病院や診療所を開設した。2000年にアフガンで発生した大干ばつを受けてかんがい事業に着手。建設した用水路は福岡市の面積の約半分に当たる約1万6500ヘクタールを潤している。18年にはアフガン政府から勲章、今年10月には名誉市民権を授与された。4日、東部のジャララバードで武装した集団に襲われて亡くなった。

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