「君の瞳に乾杯」…

西日本新聞 オピニオン面

 「君の瞳に乾杯」。ハンフリー・ボガート演じる主人公がヒロイン役のイングリッド・バーグマンを見つめ、こう言って別れを告げる。往年の映画「カサブランカ」の名場面。「君の瞳‐」も映画史に残る名せりふとされる

▼現代版のボギーなら、かっこよくトレンチコートの襟は立てずとも、家族や恋人、友人に言ってあげたい。「君の瞳に心配」。特に、会員制交流サイト(SNS)などに、自分の写真をよく投稿する“ヒロイン”には

▼近頃は、スマートフォンなどのカメラの性能が飛躍的に向上。インターネット上の顔写真を拡大すれば、瞳に映り込んでいた景色などの情報から、撮影場所を特定される可能性があるそうだ

▼それが犯罪に使われたケースも。アイドル活動をしていた女性を自宅玄関前で襲ったとして男が逮捕される事件があった。男は女性の瞳に映っていた駅から、利用駅を探し出して待ち伏せし、女性を自宅まで尾行したとされる

▼瞳だけではなく、窓や車のボンネットなどにも景色は映る。背景に駅やスーパー、商店、住所が表示された電柱などが入ると危ない。SNSの文章も「帰りに○○で買い物」などと書くと、生活圏を推察され、ストーカー被害に遭う恐れがあるという

▼不特定多数の目に触れるSNSは個人情報が漏れないように注意したい。きらきらと輝く瞳はすてきでも、目は口ほどにものを言う‐である。ご用心を。

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