殺処分ゼロへ 犬猫の譲渡会100回 久留米市の「あにまる うぉーく」

西日本新聞 筑後版 片岡 寛

 ペットの殺処分ゼロを目指す久留米市のボランティア団体「あにまる うぉーく」が、道の駅くるめで毎月開く犬・猫譲渡会が、2009年5月のスタートから今月22日で節目の100回を迎える。これまでに通算千匹近いペットに新しい飼い主が見つかった。中心になって活動してきた松永典子さん(66)=同市山本町豊田=は「譲渡会を通じ、多くの命をつなぐことができた。周囲の支えや、飼い主が見つかった時の喜びがあるから続けられた」と歩みを振り返る。

 松永さんが、ペットの保護に関わるようになったのは2006年、宮若市の力丸ダム周辺で大量の捨て犬や犬の死骸が見つかった事件がきっかけ。2匹を引き取り、さらに残った犬の世話を手伝った経験が、その後の活動につながった。

 当初は久留米市動物管理センターから引き取った犬や猫の飼い主探しが中心。20匹以上預かった時期もあった。虐待を受けたペットも少なくないため、ドッグランのスペースもある自宅でしつけを施し、治療で動物病院も訪ねた。譲渡会が定着するにつれ、やむを得ずペットを手放す人などから直接依頼されることが増えてきたという。

 譲渡会では、希望者が名乗りを上げてもその場で引き渡すことはない。責任を持って飼育してもらうため、家族構成やペットの飼育経験について尋ね、飼育場所の現地調査、不妊や去勢手術を約束した上で、1週間程度の試行飼育を経て正式譲渡に至る。

 それでもうまくいかないケースもある。犬を引き渡して2~3カ月後、「胸騒ぎがして立ち寄ると、チェーンが首輪から外れないように、首の付近を針金でぐるぐる巻きにされていた。表情も変わり果て、すぐ引き取った」という。

 犬を預かる生活が続くことで友人との旅行なども自由に出かけることは難しく、「本当は100回でやめようと思っていたが、無責任なことはできない」と節目の先を見すえる。

 最近も10歳を超える雄犬に20代夫婦の飼い主が見つかった。「電話口で『うちの子にします』と言われ、思わず泣いてしまった。老犬だから自分と重なるのかな」とほほえんだ。

 22日の譲渡会は午前10時~午後2時、久留米市善導寺町木塚の道の駅くるめで。21、22日は、これまでの活動をまとめた映像の上映やパネルの展示もある。 (片岡寛)

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