無名ボクサー、新人王挑む 小倉南区の中西さん、22日決勝

西日本新聞 北九州版 岩佐 遼介

相次ぎ強豪倒す

 ボクシングの世界チャンピオンへの登竜門とされる全日本新人王(日本プロボクシング協会など主催)のタイトル獲得に挑戦する無名のプロボクサーがいる。「HKスポーツボクシングジム」(小倉南区)に所属する中西寛多郎選手(18)=同区。6月のプロデビュー戦で新人王決定戦のトーナメントに参戦して以降、全国の強豪を次々と撃破し、決勝まで駆け上がった。「周囲の期待も大きい。必ずタイトルを勝ち取る」と意気込んでいる。

 「ドスッ」。今月初旬、ミットをはじく重いパンチの音がジムに響き渡った。ミット打ちを終えるとストーブの前へ。額からは止めどなく汗が流れ落ちた。出場するバンタム級は、計量日までに体重を53・5キロ以下にする必要がある。残りは3キロあまり。サウナスーツに身を包んだ中西選手は「インフルエンザが流行している。体調管理をしつつ、しっかり減量しないと」と話した。

 武器は柔らかい動きから繰り出す力強いパンチ。スピードもあり、スパーリングでは近い階級の日本の上位ランカーを圧倒することもあるという。鬼塚勝也氏=北九州市出身=や輪島功一氏をはじめ、新人王を経て世界チャンピオンに上り詰めたボクサーは数多い。中西選手は世界チャンピオンを目標に掲げているだけに、自然と思いは強くなる。

 小学4年の時、父親に連れられてジムに通い始めた。最初はいやいやだったが、上達を実感できるようになると、どんどんのめり込んだ。豊国学園高(門司区)のボクシング部に入部。3年間の成績は7勝6敗で、「大したことない選手」(桑原秀彦会長)だった。

 転機は高校最後の試合となった国体の県予選でのこと。優勝するつもりがあえなく敗退した。「悔しい。あきらめきれない」。プロを目指すことを決意し、部の引退後もジムや部に顔を出し、練習を続けた。皮肉にも引退後にコツをつかみ、みるみる力を付けた。1月にプロテストに合格。6月のデビュー戦、9月、11月と優勝候補の選手を次々に破って決勝に駒を進めた。

 新人王を獲得すれば、多い階級でも20人ほどしかいない日本ランカーになれる。中西選手は「前評判は決して高くない中、ここまで勝ち上がった。目の前の試合に集中したい」と語った。新人王決定戦は22日、東京都の後楽園ホールである。 (岩佐遼介)

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