スポーツ推薦入試汚職、別の教諭が仲介か 部活の「顧問枠」常態化

西日本新聞 社会面 森 亮輔

 福岡県立八幡南高のスポーツ推薦入試を巡る汚職事件で、受託収賄容疑で逮捕された高校教諭の本田竜大(りゅうた)容疑者(40)と贈賄側の受験生の父親(時効成立)の仲を別の高校教諭が取り持ち、飲食接待につながったことが12日、関係者への取材で分かった。同校の推薦入試ではここ数年、部活動の「顧問枠」が常態化していたことも判明。本田容疑者は「枠に(受験生を)入れたら合格すると思っていた」との趣旨の話をしているという。

 本田容疑者は、同校でサッカー部顧問を務めていた2015年8月中旬、推薦入学を希望する受験生の父親から顧問枠での推薦を依頼され、2万数千円の飲食接待を受けた疑いが持たれている。合格後の16年3月下旬にも同額の飲食接待をされ、商品券10万円分を受け取ったという。本田容疑者は「商品券は換金して小遣いにし、飲食代に使った」と容疑を認めている。

 関係者によると、仲介役の高校教諭が行きつけだった北九州市八幡西区の飲食店に父親も頻繁に訪れており、ある時期に父親が「息子の受験で相談したい」と本田容疑者の紹介を依頼。父親と本田容疑者は教諭同席のもと、8月の接待で初めて顔を合わせた。

 接待は北九州市やその周辺の和食料理店とスナックで行われ、父親は「息子が八幡南高のサッカー部に入りたがっている。ぜひ推薦を」と本田容疑者に依頼し、支払いもした。

 捜査関係者によると、推薦入試の顧問枠は、夏ー秋、各部活の顧問が希望人数を選考会議メンバーの主任教諭に申請。主任教諭が調整し、各部活の人数を割り当てる。各顧問は中学校で情報収集するなどして、年内には枠に入れたい受験生を決めて再度主任教諭に提出。受験生は翌年2月の面接などを経て、選考会議で合否が決まる。捜査関係者は「顧問が枠に入れた時点で合格が事実上決まり、内々定が出るようなもの」と説明。「選考会議は確認程度の形式的な場」と指摘する関係者もおり、県警は顧問の立場は合否に相当程度影響があったとみている。

 顧問枠は少なくとも本田容疑者が同校に着任した14年4月の前年度からあったとみられ、本田容疑者も自身の権限を自覚した上で「自分が欲しい生徒を進言でき、入試に影響力があった」と話しているという。

 部活動の顧問が事実上、推薦入試の合否を握る顧問枠について、同校は西日本新聞の取材に「顧問から欲しい受験生の名前が挙がることはあるが、合格が決まるわけではない」。県教育委員会の担当者も「顧問に推薦する権限はなく、合格者を決める仕組みはないと認識している」としており、県警の見方とは食い違いもある。(森亮輔)

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