古式漁法「石干見」を世界遺産に 13日から大分・宇佐でサミット

西日本新聞 社会面 吉川 文敬

 潮の干満差を利用し、浅瀬に造った石積みで魚介類を捕る古式漁法「石干見(いしひび)」が残る九州・沖縄各県や韓国、台湾の保存団体や専門家が一堂に集まる「世界石ひびサミット」が13日、大分県宇佐市で始まる。主催団体は東アジア連携による国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産初登録を目指す。専門家は「各国地域が連携可能なケース。国際協力による登録は最近のトレンドとも合致する」と期待を寄せる。

 石干見は国内で18~19世紀から記録があり、半径数百メートルの半円状に石垣を積んだ大型の定置漁法。広い浅瀬があり、干満差が大きい有明海や周防灘沿岸などで盛んに造られたが高度成長期に激減し、かつて200基以上あった長崎県の島原半島では数基、宇佐市では5基のみが残る。関西学院大の田和正孝教授(漁業地理学)によると、国内で現役で使用されている例は長崎県諫早市と沖縄県宮古島市だけだという。

 現存数では東アジアが群を抜いており、田和教授は「自然の力を使い、乱獲につながらない持続可能な漁法。環境教育のシンボルにもなる」と指摘。ユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)の国際水中文化遺産委員会日本代表でもある東京海洋大の岩淵聡文教授(海洋文化学)は「ユネスコに加盟できない台湾は日本の協力に期待している。各国地域の足並みさえそろえば登録の可能性は十分ある」と訴える。

 サミットは2日間。日本や韓国、台湾の大学教授による講演、各国の保護団体によるリレートークなどがある。 (吉川文敬)

大分県の天気予報

PR

大分 アクセスランキング

PR

注目のテーマ