ゴルフ場再開見通せず 大雨被災の嘉瀬川河川敷

西日本新聞 佐賀版 穴井 友梨

 佐賀市鍋島町の「嘉瀬川リバーサイドゴルフ場」が、8月末の大雨災害以降、営業を停止している。橋が流れをせき止めて周囲が冠水し、今後も豪雨で氾濫する危険性があることなどが原因。運営会社はすでに人員を引き上げており、再開は見通せない状況にある。

 ゴルフ場は1級河川の嘉瀬川河川敷内にあり、1989年、県や佐賀市などが出資する一般財団法人「嘉瀬川水辺環境整備センター」の運営でオープン。ピーク時には年間4万2千人、最近は1万7千人ほどが利用する。

 利用者は川に架かる2カ所の仮設橋を渡り、両岸の計9ホールでプレー。今年の大雨では流木などが橋にひっかかり、水があふれてゴルフ場の大部分が冠水した。橋の土台周辺が崩れるなどの被害も出た。

 橋は河川内の工作物で、川の流れを妨げない対策が必要。ゴルフ場の「緊急避難作業実施要領」では、降雨で水位が上がる恐れがある時には橋の上部を事前に撤去するよう規定。だが財団によると短時間での撤去は難しく、実行した例は確認されていないという。

 2014年からは財団の委託で「フジカントリークラブ」がゴルフ場を管理運営。クラブによると橋の撤去が必要との説明は当初なく、要領も契約後にしか渡されなかったという。大雨後に被害の復旧作業を終えたが、営業再開は見合わせた。「橋があると今後も冠水の恐れがある。大雨予報のたびに撤去するのは現実的ではない」と話す。

 このためクラブは9月下旬、財団に契約解除を申し入れた。財団は嘉瀬川を管理する国の河川事務所と協議し、橋の改修を条件に撤去なしで運用できる方針を確認したが、クラブは「今後も大雨による災害が予想され、復旧に時間と労力を費やすのは厳しい」として10月下旬、ゴルフ場からスタッフを撤退させた。

 クラブは「橋の架け替えよりも、防災につながる河川敷の別の活用方法を考えた方がいいのではないか」。財団は「再開を望む声もありゴルフ場を続けたいが、事情を加味して折り合いを付けたい」としている。(穴井友梨)

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