黒田官兵衛一族のご神体に 「古木の根」235年ぶり福岡から姫路へ

西日本新聞 社会面 日高 三朗

 235年ぶりにご神体として福岡から姫路に“帰郷”ー。福岡市中央区舞鶴の大長寺に安置されていた福岡藩祖黒田官兵衛(1546~1604)一族ゆかりの「古木の根」が、黒田家の礎の地である兵庫県姫路市に建立された「官兵衛神社」のご神体となった。もともとは同藩士が、姫路で掘り出して持ち帰っていた。

 黒田一族は出自が不明な点が多いが、官兵衛の祖父重隆が現在の姫路市を含む播磨国に入り、目薬に神符を付けて売り、財と情報を得て台頭したとされる。神符の発行元が奈良時代に創建された地元の広峯神社。黒田一族との縁から官兵衛神社は11月末、広峯神社に境内社として建立された。

 古木の根は、姫路市内にあった官兵衛の父職隆(もとたか)の墓に埋められていた。墓は江戸時代に発見され、1783年、福岡藩は藩士を派遣し調べた。遺骨は発見できず、木の化石「珪化(けいか)木」とみられる根を掘り出し、翌年に職隆の位牌(いはい)がある大長寺に安置した。

 2014年のNHK大河ドラマで官兵衛が主役となって話題を集めたことで、姫路市の関係者が古木の根を知り、文献でも職隆の墓から出たと確認できた。昨年1月、大長寺に譲渡を打診。5本のうち高さ約60センチの1本を移すことで合意した。

 官兵衛神社はひのき造り約80平方メートル。入り母屋造りの拝殿と、銅板ぶき切り妻造りの社殿からなる。社殿奥に古木の根、地元の刀工や鍛冶師が作った太刀、官兵衛のキリスト教信仰にちなんだ十字架を納めた。今年1月に着工。11月29日から3日間、地元で建立奉祝祭が開かれ完成を祝った。

 大長寺の河東俊也住職(55)は「姫路の人たちに古木の根を末永く守っていただき、多くの人が参拝する神社になってほしい」。広峯神社の幸田精久宮司(59)は「祈りの場とともに、神社が官兵衛の功績を伝えるシンボルとなってほしい」と話した。(日高三朗)

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