米中貿易来月にも署名 「第1段階」合意 第2段階は不透明

西日本新聞 一面 川原田 健雄 田中 伸幸

 米中両政府は13日、貿易協議で「第1段階」の合意に達したと発表した。米国が15日に予定していた新たな制裁関税を見送り、発動済みの追加関税のうち1200億ドル(約13兆円)分の税率を15%から半減する。中国は米農産品の大量購入や金融市場開放などに取り組む。関税引き下げは制裁関税を始めた昨年7月以降初めて。米中対立がこのまま緩和に向かうか注目される。

 米メディアによると、米通商代表部(USTR)は来年1月上旬に閣僚級での文書署名を目指す方針で、その30日後に関税を引き下げる。トランプ米大統領は13日、「中国と大きな第1段階の合意に達した」とツイッターに投稿。第2段階の協議にも意欲を示した。

 米政権が発動を見送るのは、スマートフォンなどの中国製品に15%の関税を上乗せする制裁関税「第4弾」の残り1600億ドル分。9月に先行して発動したスマートウオッチなど1200億ドル分の第4弾の追加関税率は15%から7・5%に下げる。家具など2500億ドル分が対象の第1~3弾は税率25%を維持する。

 中国政府によると、中国側も15日に予定していた米製品への追加関税を見送る。第1段階合意は米農産品の輸入拡大や知的財産権保護、技術移転、為替など9項目に及ぶと説明。農産品の輸入額は後日発表するとした。王受文商務次官は記者会見で「双方が合意を順守し、努力して実行することを望む」と述べた。

 一方、トランプ米大統領は13日、中国の米農産品購入額は「年500億ドルになると思う」と言及。USTRは、農産品や工業製品など対中輸出を今後2年間で計2千億ドル増やすことで合意したと明らかにした。

 また、USTRは中国の外国企業に対する技術移転強要の是正や、意図的な通貨安誘導の抑止など具体的な合意内容を明かし、合意の履行状況を監視する仕組みも設けるとした。

 今回の合意は、中国の産業補助金の見直しなど両国間で溝が深い問題には触れず、第2段階以降の協議に先送りした。大統領選を来年に控えるトランプ氏が中国から譲歩を引き出そうと、再び関税引き上げなど強硬姿勢に転じる可能性もあり、協議の行方はなお不透明だ。(北京・川原田健雄、米中西部ウィスコンシン州・田中伸幸)

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