ギター警部補×歌のお姉さん、引っ張りだこ 歌声に込めた願い

西日本新聞 社会面 小川 勝也

 ギターのリズムに乗せて交通ルールを伝える、福岡西署の“ギター警部補”渡辺賢治さん(60)が交通安全教室に引っ張りだこだ。今年から「歌のお姉さん」松尾汐莉(しおり)巡査長(27)とデュオを組み、さらに依頼が増えた。今年は子どもが犠牲になる交通事故が相次ぐ。東京・池袋で母子2人が高齢者が運転する車の犠牲になり、大津市では保育園児ら16人が死傷した。「悲しむ人を減らしたい」。歌声に心を込める。

 ♪黄色は止まれ 足を止めて まちましょう♪

 福岡市西区の飯盛保育園で10月上旬、渡辺さんのギターの音色と松尾さんの歌声が響いた。曲は人気アニメの替え歌。園児も笑顔で口ずさむ。「子どもたちも興味を持って、集中して聞いている」(園関係者)と好評だ。

 中学時代にギターを始めた渡辺さん。約20年前、同署の旧宮浦駐在所(現北崎駐在所)勤務時代に妻の提案でギターを使った交通安全教室を始めた。異動で中断し、2017年に同署交通課交通総務係に配属されたのを機に再開。「子どもにも届きやすいように」と、松尾さんをスカウトした。

 幼稚園や保育園、高齢者が集まる公民館で毎月十数件の交通安全教室に出演する「芸能人並みの人気ぶり」(署幹部)。特に高齢者からの依頼は「2年前から倍増した」(渡辺さん)。レパートリーは約10曲で、高齢者には飲酒運転撲滅を訴える「悲しい酒」(美空ひばり)の替え歌が人気という。

 渡辺さんは交通畑を歩み、交通事故は誰もが被害者にも加害者にもなる怖さがある、と実感する。できれば歌い続けたいが、来春定年を迎える。「西署の名物として歌を引き継いでもらいたい」。後輩に思いを託す。 (小川勝也)

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