「優しい光」で夜の川下りを 柳川市が12地点ライトアップへ

西日本新聞 社会面 森 竜太郎

 城下町の掘割を生かした川下りで知られる福岡県柳川市は、来年度から夜間の川下りと街歩きのための照明整備を本格化させる。観光客の滞在時間延長と宿泊客増につなげる狙い。市出身の詩人北原白秋の詩情と、柳川藩の歴史の体感をコンセプトに、約4キロの川下りルートのうち12地点を「静かで優しい光」で彩り、物語性のある夜景空間をつくるという。

 市によると、掘割では予約客を中心に通年で夜間の川下りを行っているが、航路沿いの句碑や銅像などの見どころにはあまり照明がない。船頭による案内が難しいこともあり、利用客は少ないという。

 市は年間約140万人が訪れる観光都市にふさわしい夜間景観を演出しようと、5月から照明専門家や研究者、公募した市民とともに現状を調査してきた。

 市が策定した夜間景観基本計画案では、川下り出発点に近い鋤(すき)先土居や柳川城水門、柳川藩主別邸の御花周辺、白秋生家がある沖端地区など12地点を柔らかな光で演出。白秋が「しとやかな柳河の水路を、定紋つけた古い提灯(ちょうちん)が…」と詠んだ掘割の夜の原風景を楽しんでもらう。

 立案に関わった世界的な照明デザイナーの面出(めんで)薫さんは「こんなにきれいな闇があることに驚いた。光の“厚化粧”をすることなく、静かで穏やかな空間を演出したい」と話した。

 市は2024年度までに、西鉄天神大牟田線柳川駅西口に掘割を引き込み、どんこ舟の乗下船場を設ける。それまでに整備を終える方針だ。 (森竜太郎)

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