ソウル(韓国) 「初めて」を探して歩く

西日本新聞 夕刊 吉田 真紀

 ソウルといえば、流行のグルメやショッピング、エステなどの定番を巡るだけでも楽しめるリピーター多数の観光地。だけど、まだ日本であまり知られていないスポットもたくさんあるという。私にとって5回目となるソウル。今回は、初めての場所、初めての体験ばかりを詰め込んだ、新たな魅力発掘の旅に出掛けた。

 ソウル市鍾路区。朝鮮王朝最初の正宮として建てられた「景福宮(キョンボックン)」をはじめとする歴史的な建造物で知られるエリアだ。韓国伝統の韓服レンタル店も立ち並ぶ。チマ・チョゴリに着替え、風景に溶け込みながら散策する人たちとすれ違う。

 韓流の王朝ドラマを見ていて、何といっても印象的なのは赤、青、緑など鮮やかな布地に金箔(きんぱく)でかたどられた文様が映える伝統衣装。だから、この旅1番目の「初めて」は、同区の「金箔宴」を選んだ。ここでは金箔の文様を施したしおり作りが体験できる。

 教えてくれたのは、韓国の「人間国宝」でもある5代目の金基昊(キムキホ)さん(51)。朝鮮時代、王室御用達だった金箔衣服は、文様で身分や権威、国家繁栄への願いなどを表現したそうだ。

 まずは、たくさんの文様のはんこから好きな物を選ぶ。私は「幸せになりますように」との願いが込められたハングルを選んだ。筆ではんこの印面にのりを塗り、布製のしおりにぺたり。その上に金箔のシートを貼って、指の腹でポンポンと押していくと…のりの部分にだけ金箔が残り、文様が浮かび上がってくる。

 「赤ちゃんの肌をなでるように」という先生のアドバイス通り、最後は綿で優しく文様を整えたら完成だ。少しいびつになってしまったけれど、なんだか愛着が湧いてきた。

 創作意欲が刺激されたところで、次は同区にある箸の家「チョチプ」へ。韓国初の箸のギャラリーで、伝統の材料や文様、色彩を生かした箸を製造・販売している。一膳一膳、デザインの異なる箸たちが、店全体を現代アートのような空間に仕立て上げていた。

 店では、メープル材の箸に、絵の具で自由に色付けができる。私は、ディスプレーされていた箸をお手本にして挑戦。緑をメインに、箸先にかけて青っぽくするグラデーションにした。一緒に体験した女性メンバーを見てみると、白地にハート柄、黄色と緑のボーダーなど、個性的なかわいい作品がいっぱい。最後は店員さんが漆塗りをして仕上げてくれる。実用的な「思い出」作りは楽しいし、うれしい。

 最後に向かったのは、同市中区。料理や韓服試着など、さまざまな体験ができる「K-STYLE HUB(スタイルハブ)」に立ち寄った。

 たくさんの女性客が楽しんでいたのは、ソファのある空間。正面の画面に、韓国の人気アイドルグループのメンバーと自分が並んで座っているように合成されて映し出される。画面上で一緒にポーズを決めたり、寄り添ったり。親密な「ツーショット」を撮影しては、笑いと歓声が上がっていた。

 自分の体質や性格に応じたお茶も提供してくれる。「骨格がしっかりしている方だ」「気が小さくてきちょうめんだ」など、いくつかの質問に○か×かで答えていく。

 「しっかりした骨格で、あれこれ最後までうまくやれずに気にかかる」私は、「何でもかんでも手を出してしまい、ストレスがたまりやすいタイプ」と診断された。手渡されたのは、ストレスでカチカチになってしまう体をリラックスさせるという、ペパーミントや甘草のブレンド茶。優しい爽快感と、ほんのりした甘みに、動き回った旅の疲れが癒やされていった。

 また近いうち、まだまだあるソウルの「初めて」を探して回りたい。(吉田真紀)

 ●メモ

 福岡空港からは仁川空港への直行便があり、所要時間は1時間半前後。仁川空港からソウル市内へのアクセスはリムジンバスや空港鉄道が便利。 現地の観光情報は、韓国観光公社福岡支社=092(471)7174。

PR

くらし アクセスランキング

PR

注目のテーマ