内閣支持率下落 不信を謙虚に受け止めよ

 まともに説明責任を果たそうとしない首相と政権に対する有権者の不信や批判が表れているのではないか。謙虚に受け止めるべきだ。

 報道各社の世論調査で安倍晋三内閣の支持率が下落している。調査により濃淡はあるが、共同通信社が14、15両日実施した調査では、内閣支持率は42・7%で11月の前回調査から6・0ポイント減った。逆に不支持率は4・9ポイント増え43・0%となり、僅差とはいえ支持率を上回った。

 最大の理由は改めて指摘するまでもあるまい。「桜を見る会」を巡る一連の疑惑であり、その疑惑を自ら積極的に晴らそうとしない首相の姿勢に対する国民の怒りや失望である。

 首相は「十分に説明しているとは思わない」という回答は実に83・5%に及んだ。圧倒的多数の国民が疑念を深め、首相に「きちんと説明を尽くせ」と求めていると言えるだろう。

 深刻なのは、こうした切実な国民の声と、まるで高をくくったかのような首相や政権側の対応との乖離(かいり)である。

 首相が説明責任を果たすのに最もふさわしい舞台は言うまでもなく国会だ。ところが、野党が異例の会期延長要求をしていたのに、与党は聞き入れず臨時国会をそそくさと閉じた。

 「国会から求められれば説明するのは当然だ」と首相自身が公言していたにもかかわらず、衆参両院の予算委員会集中審議は開かれないままだった。

 国会閉会を受けた記者会見の冒頭発言でも首相は疑惑に全く触れなかった。これも疑問だ。さすがに記者の質問には答えたが、中身は当たり障りのない国会答弁の繰り返しである。これでは「首相は説明する気があるのか」と国民が不信感を募らせるのは当然ではないか。

 税金を使う首相主催行事を巡って、あってはならない「公私混同」が疑われ、公文書管理や情報公開といった民主主義を支えるルールの在り方も首相の姿勢とともに鋭く問われている。

 何より疑念を増幅させているのは、政治家や官僚の場当たり的な説明や答弁が次の疑惑を招く泥縄式の対応ぶりだ。

 そこに、長期政権のおごりや慢心を見て取る国民は決して少なくない。

 共同の世論調査で首相の在職日数が歴代最長となった安倍政権について、国民の3人に2人が「緩みがあると思う」と回答したのはその証左だろう。

 師走の忙しさに紛れ、年を越せば、うるさい世間も忘れてくれるだろうーなどと悠長に構えているのなら、大間違いだと指摘しておく。主権者の国民が納得するまで首相の説明責任に終わりはないと心得るべきだ。

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