民泊修学旅行って実際どうなの? 一過性でない交流が魅力

西日本新聞 ふくおか都市圏版 今井 知可子

 旅館やホテルでなく一般家庭に泊まる民泊型の修学旅行。県内の中学校でも導入されて久しいが、「他人の家に泊まるのは気を使う」「泊まる先によって差が出そう」など不安も尽きない。11月に鹿児島県垂水市で民泊をした古賀東中(古賀市筵内)の2年生たちが、そんな疑問に応えようと、自分たちの体験をもとに壁新聞を作った。タイトルもズバリ。「民泊修学旅行って実際どうなの?」

 古賀東中は鹿児島県での民泊型修学旅行(2泊3日)を6年続ける。特攻基地があった鹿屋市で平和学習、桜島を見ながら垂水市に移動、漁業体験の後に民泊だ。同中によると、それまでの京都観光旅行で5万5000~6万円かかった旅費が、鹿児島民泊に切り替えて3万7500円にまで抑えられた。「でもやっぱり京都とか行きたかったな…」。出発間際も生徒たちはそう話していた。

 11月中旬、生徒たちは垂水市の民家に分かれて泊まった。民泊先の職業は農業や漁業、会社員…。家族構成も小さな子どもがいる若い夫婦から高齢者の1人暮らしまで本当にさまざまだ。普通の家だから家事も手伝う。料理や後片付けを一緒にしながら生徒たちは「これまで民泊で困ったことはないか」と聞いてみた。

 「話しかけても答えてくれない子がいた」「食べられないものが多いと、何を出したらいいのか…」などの悩みがあった。「車の窓から牛を見た女子生徒らが『写真撮りたい』と騒ぐので車をとめたら、なかなか戻って来なくて集合時間に遅れそうになった。それで、車を飛ばしたら速度違反で罰金を取られた」という話も。

 食事は家庭によって違うようだ。ハンバーグや焼き肉など食べ盛りに向けたメニューもあれば、漁業体験で生徒が三枚おろしにしたアジをフライやしゃぶしゃぶにしてくれたり、郷土料理の団子を生徒と一緒に作ったりした家もあった。

 前田萬次郎さん(14)は民泊先の家族と野球の話で盛り上がった。「向こうも僕も相手を知らないので、まず自分から話さないと会話が始まらないことが分かった」。人付き合いを体当たりで学ぶ場でもある。

 今月14日、同中で行われたバザー会場に、垂水市から民泊先の4人が訪ねてきた。「元気にしてた?」。生徒たちと手を取り合い再会を喜んだ。民泊のまとめ役でもある内薗紀文さん(66)は「受け入れている最中は生徒が熱を出したりしないか、一日中気が張る。でも子どもたちの一生の思い出に、私たちが残ることができる」と話した。手紙やメールのやりとりが続き、結婚式に呼ばれたこともあるという。一過性でない出会いが、民泊の最大の魅力なのだろう。 (今井知可子)

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