「英語はフランス語の一方言だ」とフランス人の知人が…

西日本新聞 オピニオン面

 「英語はフランス語の一方言だ」とフランス人の知人が大真面目に話していた。いわく、英語は、海峡を越えて伝わったフランス語と現地の言葉が融合して生まれ、その際に文法や表現が簡単になった。例えば男性名詞と女性名詞の区別もないではないか、と

▼フランス語は名詞に男性、女性があり、それに応じて冠詞や形容詞が変化するのでややこしい。男女を判断する明確な基準はなく、羊、象、イルカは男性、ヤギ、キリン、鯨は女性-などと覚えるしかない

▼自国文化を誇りたがるフランス人らしい話だが、一方的に「田舎の方言」と決め付けられた英語圏の人が聞けば不愉快だろう

▼その英語に新しい言葉が広まっている。they。「彼ら、彼女ら」と学校で習ったけれど、最近は男女を区別せず中立的な単数の代名詞として、he(彼)やshe(彼女)の代わりに使うそうだ

▼性的少数者への偏見や差別をなくすためだという。自分の気持ちとは違う性別に当てはめられ、不愉快な思いをすることがないように、と。ややこしいが、その曖昧さがいいのだろう。米国の辞書出版社が「今年の言葉」に選んだ

▼性別の記入欄で「男性・女性・その他」を選べることも増えた。今どき、性別にこだわらないのがエレガントか。ちなみに、日本語の「○○さん」は、男性・女性・それ以外、既婚・未婚の区別なく使える。この曖昧さは世界に誇れるかも。

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