放置自転車ゼロの街へ 「チャリ・エンジェルズ」がパトロール中

西日本新聞 ふくおか都市圏版 横田 理美

 写真共有アプリ「インスタグラム」で、路上に置かれた自転車を見回る愛らしい女性3人組の画像を見つけた。かつては放置状況が「全国最悪」とされた福岡市・天神を中心に放置自転車ゼロに向けたパトロールをしているらしい。その名は「チャリ・エンジェルズ」。さっそく会いに行ってみると、福岡の汚名返上の歴史や時代に即した啓発法が見えてきた。

 「こんにちは」。11月下旬の夕方、同市博多区の博多座前に、カラフルなコスチュームに身を包んで彼女らは現れた。3姉妹の設定で、黒が長女の巡子、ピンクが次女の輪子、緑が末っ子の町美子(まみこ)。その姿とチーム名は、3女性が活躍する米国映画のタイトルを思わせる。

 この日は月に2回のパトロール。さっそく天神方面に向かって歩きだすと、博多と天神を隔てる那珂川沿いに並ぶ放置自転車5台を発見した。「川沿いは多いんです」と、自転車のサドルにシールをペタリ。近隣の駐輪場を案内するステッカーだった。

 しばらくして、路上駐輪場の柵の外側につながれた1台に駆け寄った。「満車だったのかな。残念」。「路上駐輪禁止」の看板前にもう1台。1時間のパトロールで毎回20~30枚のステッカーを貼るという。

 市自転車課によると、内閣府が隔年で実施する駅周辺の放置自転車実態調査で、天神地区は2001年と03年に連続で全国ワーストになった。03年は2時間で4217台という記録もあり、歩道に自転車があふれ、点字ブロックをふさぐ状況に。そこで、市は撤去強化に踏み切った。

 一方で市とラブエフエム国際放送が協力してマナー向上のキャンペーンキャラクターとするのが、01年に誕生したチャリ・エンジェルズだ。「以前は年配の街頭指導員と注意された若者のトラブルもあった」(同放送スタッフ)が、同世代による優しくさわやかな啓発で、地道に駐輪を意識づけてきた。現在、20代を中心とした十数人が「3姉妹」にふんして活動。ブログやSNSで「だめな例」のほか、駐輪場の情報などを紹介している。

 福岡市では市営・民営の駐輪施設の整備や3時間無料化もあり、05年以降は放置台数が激減。この日のパトロールでは博多から天神地区に入った後、明治通り、天神西通り、国体道路、渡辺通りを歩いたが、歩道上に放置自転車は見当たらなかった。この日の次女役だった大学3年の塚本萌子さん(22)は「合格。いつもこうだとうれしい」。

 しかし、市内では年間3万台前後の撤去が続いている。「放置が数台固まっているのはよく見る光景。最初の1台にならないで」と3人は訴えた。住みよい街を目指し、チャリ・エンジェルズは今日もゆく。 (横田理美)

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