第44期天元戦五番勝負 第3局 11月23日(金)

井山裕太天元 対 山下敬吾九段

佐賀県鹿島市「祐徳稲荷神社」

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【ひと】天元戦5連覇で「名誉天元」の称号を得た 井山裕太さん

西日本新聞 総合面

 七冠同時制覇を2度も成し遂げた「絶対王者」。それを脅かす若手棋士、許家元八段の挑戦を底力ではね返し、三冠を死守した。天元戦5連覇を達成し「名誉天元」の称号を手に入れたが「防衛記録は一つ一つの積み重ね。光栄なことだが、意識せず平常心で戦ったからこそ得られた」と静かに喜びを語る。

 五冠でスタートした2019年は、苦しい一年だった。3月の棋聖戦では防衛したものの4月の十段戦で失冠。7月には本因坊戦で8連覇を達成したが、天元戦と並行して打たれた王座戦では、20歳になったばかりの芝野虎丸名人にタイトルを奪われ、「井山1強時代に陰りが見え始めた」とささやかれた。

 許八段は、昨年碁聖を奪取された相性の良くない相手だった。今シリーズでも常に先行され、厳しい展開に。しかし、数々の大舞台を乗り越えてきた経験者は、冷静さを失わなかった。「リードされても一局一局は五分の戦い。ベストを尽くせば、チャンスがあると信じていた」

 天元戦最終対局の徳島では昨年、七大タイトル通算獲得数を43期とし、歴代単独1位の記録を達成した。「良い印象のまま戦うことができて良かった」と表情を緩めた。

 趣味はスポーツ観戦。出身地の大阪府東大阪市にある花園で行われたラグビーワールドカップも観戦した。7月には25歳の女性と結婚したばかり。令和元年最後の大一番を勝利で締めくくり「いい形で来年を迎えられる。年末年始は妻と自宅でのんびり過ごしたい」とはにかんだ。大阪市内で妻と2人暮らし。30歳。 (柏木康浩)

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