三菱重、香焼工場の売却検討 造船、中韓との激戦の末

西日本新聞 総合面 中野 雄策 岡部 由佳里 華山 哲幸

 三菱重工業は18日、長崎市内に持つ2造船所のうち主力の香焼(こうやぎ)工場について、大島造船所(長崎県西海市)に売却する検討を始めたと正式発表した。来年3月末をめどに結論を出す方向で協議を進めることで合意した。中国、韓国企業との競争が激化している資源運搬船の建造事業から事実上撤退し、着実に稼げる高付加価値船で事業の立て直しを図る。

 香焼工場は、1972年に建設された同社最大級の造船所。長さ約千メートルの建造ドックは「100万トンドック」と呼ばれる。現在は主に液化天然ガス(LNG)運搬船を建造しているが、韓国勢との価格競争が激化し、2016年以降は新規受注がなかった。

 大島造船所は、造船国内3位の専業メーカーで、鉄鉱石や石炭を運ぶばら積み船を建造している。香焼工場を取得すれば2拠点体制となり、生産能力の増強で受注を増やし、中韓勢に対し価格競争力を高められる利点があるという。

 造船国内4位の三菱重工は今後、技術力で優位に立てる分野に経営資源を集中させる方針。防衛省の艦艇や海上保安庁の巡視艇などを建造する長崎市の本工場と、フェリーを造る下関造船所(山口県下関市)は、競争力強化に向けた新規投資を予定している。

 三菱重工は香焼工場について「あらゆる可能性を否定せずに協議する」としており、売却だけでなく、賃貸や合弁会社設立なども選択肢となる可能性がある。 (中野雄策)

長崎県の天気予報

PR

長崎 アクセスランキング

PR

注目のテーマ