「天神より潜在力」西シ銀本店建て替えへ 博多コネクティッド契機に

西日本新聞 社会面

 「九州の玄関口」であるJR博多駅前で50年近くシンボル的存在となってきた西日本シティ銀行本店の再開発が動きだした。1975年の山陽新幹線全線開通でビジネス街として発展した駅周辺では、老朽化した大型オフィスビルの建て替えが課題となっていたが、福岡市の再開発推進プロジェクト「博多コネクティッド」が契機となった。「天神ビッグバン」で再開発が連鎖的に進む同市・天神のように、次代の発展に向けた第一歩になるか注目される。

 博多駅一帯は、駅の機能強化とともに発展を続けてきた。山陽新幹線全通で東京から九州までつながる大動脈が完成。大手企業の支店や地場企業の集積が一気に進み、出張や観光を当て込んだホテルの出店も相次いだ。

 2011年には九州新幹線全通に合わせて新駅ビル「JR博多シティ」が開業。博多郵便局も商業ビル「キッテ博多」に生まれ変わり、商業エリアとしての集客力も格段に高まった。

 近年は、訪日外国人観光客の急増でホテルの再開発も加速している。

 ただ、ビジネス街としての成長をけん引してきた大型オフィスビルの更新は後れを取ってきた。老朽化が深刻化する一方で、08年のリーマン・ショックなどで建て替え機運は低迷。ここ数年は、不動産市況の改善で再開発を模索する動きも出ているが、築50年前後の大型ビルが駅前の一等地中心に20棟ほど残っている。

 今後は、再開発が周辺に波及するかが焦点だ。博多駅周辺は空港が近く高さ規制の緩和が見込めないが、その空港との近さや新幹線とつながる玄関口機能が強み。商業の充実でオフィス需要も高まる好循環が生まれている。

 博多駅は22年度に市営地下鉄七隈線博多駅延伸と九州新幹線西九州(長崎)ルート暫定開業が控える。福岡空港も25年に滑走路を増設予定だ。玄関口機能のさらなる強化で「街が成長する潜在力は天神よりも高い」(不動産関係者)との見方もある。博多エリアでは、高層ビルの再開発が相次ぐ天神に対する焦りもあり、別の不動産関係者は「天神と博多で競い合うように再開発が活性化する可能性もある」と話した。 (博多再開発取材班)

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【ワードBOX】博多コネクティッド

 JR博多駅から半径約500メートルを対象に、老朽ビルの建て替えを促す福岡市の優遇制度。コネクティッドは英語で「つながる」の意味で、九州の玄関口である博多駅一帯の機能を高めてその活力を周辺にもつなげる狙い。建て替え時に回遊性向上など街づくりに貢献する機能を備えることで容積率(敷地面積に対する述べ床面積の割合)を最大1200%程度まで緩和できる。福岡空港が近いため福岡市・天神地区のような高さ規制の大幅緩和はない。

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