「問題は現場」郵政社長、弁解に終始 会見、一方的に打ち切り

 全容解明と信頼回復に向けた熱意は感じられなかった。かんぽ生命保険の不正販売問題を巡る18日の記者会見。日本郵政グループの3社長は、調査が終了していないことなどを理由に自身の進退を明言せず、組織への責任転嫁ともとれる発言に終始した。最後は会見を打ち切り、後味の悪さを残した。

 「社員一人一人に至るまで、コンプライアンスの意識を徹底させ、失った信頼の回復を図りたい」。9月30日の中間報告以来となる会見に臨んだ日本郵政の長門正貢社長は、変わらず雄弁だった。弁護士でつくる特別調査委員会がまとめた報告書を受け「ご指摘を真摯(しんし)に受け止め、改善策の確実な実施と一層の充実を図る」と述べた。

 「反省」を口にする一方、色をなして反論する場面も。

 特別調査委の伊藤鉄男委員長が「現場の声が届きにくい組織文化があった」と指摘したことを踏まえ、報道陣が不正を把握できていなかった経営陣のガバナンス(組織統治)をただすと、「報告書を読んでいない」。ぶぜんとした表情で「何度も申し上げるが、問題は現場で起きている」「持ち株会社の取締役会でも指摘がなかった」と弁解を繰り返し、当事者意識の希薄さをあらためてあらわにした。

 経営陣の責任の取り方を問われた長門氏は「しかるべき経営責任について、しかるべきタイミングで発表したい」と含みを持たせ、金融庁の処分なども受けた上で判断する方針を説明。その上で「経営責任の果たし方はいろいろある。辞任という方法論だけじゃないと思う」と、去就についてけむに巻くような態度も見せた。

 特別調査委はこの日、日本郵政グループで民営化以前から同様の不正販売が横行していたことも明らかにした。だが、かんぽ生命の植平光彦社長は社内のデータ保管の問題などを理由に「今回の5年間から、さらにさかのぼって調査するつもりはない」と消極的な姿勢を崩さなかった。

 開始から2時間余りがたったころ、日本郵政グループは一方的に会見を打ち切った。会場を埋めた約150人の報道陣から「最後まで質問に答えるべきだ」「それで顧客本位の対応と言えるのか」との声が飛んだが、長門氏らは「きょうは案件調査の報告だ」などと言い残し、足早に会場を後にした。 (吉田修平、飯田崇雄)

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