目の付けどころが大事 文書鑑定の田口雄一さん 科捜研のリアル❻

西日本新聞

 Q 科学捜査に人工知能(AI)が用いられる未来も近いのでしょうか?

 「これから先、鑑定に活用する可能性は十分にあります。ただ、想像力や積み重ねといった人間にしかできない部分の方が大きいです」

  西日本新聞「あなたの特命取材班」への質問に、福岡県警科学捜査研究所(科捜研)の「文書心理科」で文書鑑定を担当する田口雄一さん(41)が答える。

 大学時代に情報工学(エンジニアリング)を専攻し、AIに人間の視覚認識を学ばせる「ロボットビジョン」の研究をしていた。だからこそ、その言葉は重い。

 文書鑑定は多岐にわたる。メモやサインを誰が書いたか識別する「筆跡鑑定」▽パスポートや在留カード、自動車運転免許証などの偽造を見破ったり、印刷に使用された機器を識別したりする「印刷物鑑定」▽黒く塗りつぶされ、時間の経過による劣化などで、判読できなくなった文字を検出する「不明文字鑑定」…。

 15年ほど前、福岡、熊本、東京などの郵便局で大量の偽造500円硬貨が見つかった事件も担当した。犯人は中国から約1万8千枚を船で輸入し流通させていた。「あの時は一生分の500円硬貨を見ましたね」

 この時、刻印や材質を鑑定した田口さん。「偽物が流通し始めた段階で、すぐに識別できるようしておかなければならない。鑑定のノウハウをつくるのも自分たち。対応力の重要さを実感しました」と振り返る。

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