冬の低山を旅しよう 夜景に温泉、麓のまち歩き… 下山後にも楽しみ

西日本新聞 もっと九州面 安部 鉄也

 寒い冬でも気軽に登山を楽しみたい-。そんなあなたにお勧めしたいのが低山の登山と麓の周遊だ。標高の高い山と違い、低山は上り下りに時間がかからない分、余裕ができる。観光気分で山頂での夜景を楽しむもよし、麓をまち歩きするもよし、酒蔵で試飲するもよし。九州にはよくばりな体験のできる低山がある。

■登山後の絶景格別

 海外の大型クルーズ船が訪れる長崎港を眼下に望み、長崎市全体が見渡せる稲佐山(332・9メートル)。麓と山頂はロープウエーで結ばれ、四季を通じて多くの観光客が訪れる。

 人気が高いのが展望台からの夜景。香港、モナコと並び「世界新三大夜景」に選ばれたこともある。車でも山頂まで行けるが、登山後に見る夜景は格別だ。ただ、いきなり稲佐山山頂を目指さず、北側に連なる岩屋山(475・2メートル)から縦走する方が山を楽しめる。岩屋山山頂からの眺望は素晴らしく、雲仙や天草、世界文化遺産の端島(軍艦島)を一望できる。

 稲佐山山頂のレストランで休憩し、夜景を堪能した後にロープウエーで下山。中華街に繰り出し、名物ちゃんぽんや皿うどんを味わうのもいい。さらに山を攻めたい人には、稲佐山から長崎港の入り口に架かる「女神大橋」を目指す約7キロのコースもある。

■歴史を感じながら

 福岡・筑後平野に横たわる耳納(みのう)連山。その中の発心山(697・4メートル)-グライダー山(643メートル)の縦走も楽しい。

 発心山には、筑後に勢力を持っていた草野氏が1577(天正5)年ごろから築いた山城、発心城跡がある。一方、グライダー山山頂では1941年、ここを飛び立ったグライダーが13時間滞空し、日本記録を樹立した。こうした歴史に思いをはせながら眼下に広がる筑後平野や、遠方に望む脊振山系、宝満山系の風景を満喫できる。

 下山後は発心山の麓、久留米市草野町のまち歩きはいかが。中世には城下町、江戸時代には日田街道の宿場町として栄えた歴史ある町並みを散策するタイムトラベルが、登山の疲れを癒やしてくれる。中でも草野歴史資料館にある耳納連山と草野町のジオラマは、自分の歩いた軌跡を確認できる。必見だろう。

 他にも巨石が点在する佐賀市の「巨石パーク」と金敷城山~金立山を巡るルートや、一度に6座が登頂できる鹿児島県の藺牟田(いむた)池外輪山~藺牟田池ルートなどがある。麓には温泉や焼酎の蔵元もあり、冬でも丸1日を十分楽しめる。(「季刊のぼろ」編集長・安部鉄也)

「低い山&周遊」テーマ 「のぼろ」27号発売中

 最新号の季刊「のぼろ」27号では、山登りを楽しみつつ、麓の町の歴史や名物などに触れる「低い山&周遊」をテーマに、山と麓を満喫できるよくばりな低山を紹介している。他にも熊本・阿蘇の草原を守るボランティアの活躍を取り上げた特集や定番となっている「ベストルートガイド」なども。九州の主要書店、西日本新聞オンラインブックストアで発売中。1000円。

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ