【きょうのテーマ】生活を彩る絵を描く仕事 イラストレーターを取材

西日本新聞 こども面

 電車の中の広告やお菓子の袋など、私たちの生活を彩るさまざまなものにイラストを描く仕事があります。こども記者たちがイラストレーターの万野幸美(まんのゆきみ)さん(42)=福岡市=のアトリエをたずねました。

【紙面PDF】きょうのテーマ=生活を彩る絵を描く仕事 イラストレーターを取材

 万野さんに案内されてアトリエに入ると、机の真ん中には大きなテレビのような液晶タブレットがあった。机には紙や筆が置いてあるだろうと思っていたのでびっくりした。

 「私は手描きが好きですが、最近はタブレットを使うことも多い」と万野さん。この道具一つあればペンや絵の具などの画材を使い分ける必要がなく、修正もかんたんだ。20年以上イラストを描いてきた万野さんは「いろんな画材を使って経験を積むと、タブレットでも幅広い絵が描けるようになる」と教えてくれた。万野さんが手がけたカレンダーやお菓子の袋、絵本、イラストがプリントされた布や靴も見せてもらった。

    ★  ★

 イラストレーターは「こんな絵を描いてほしい」とクライアント(依頼者)から頼まれて仕事をする。万野さんは「画家は自分が描いた絵をほしい人に売るので、作品の作り方が逆なんですよ」と説明した。

 最近、洋服や雑貨の店が入る商業施設「マークイズ福岡ももち」(福岡市中央区)の秋の館内を彩るイラストを担当した万野さん。クライアントからは「女の子の頭の中がお洋服でいっぱいの雰囲気に」「マークイズの建物をクローゼットに見立ててほしい」などと依頼されたという。

 水族館のポスターの仕事では「イルカのひれの位置やペンギンの羽毛のぬれ具合など、飼育員さんたちの細かいチェックも入りました」と振り返った。

 「買いたい」「行きたい」と思ってもらうための大事なポスターや広告のイラストなので、クライアントとは何度も話し合い、修正を重ねるそうだ。すぐに描けるものだと思っていたけど、数カ月かけて、時には寝る間もけずって仕事をすると聞いておどろいた。

    ★  ★

 毎日机に向かって一人きりで仕事をするけれど、「あのイラスト、かわいいから覚えていたよ」と聞くと苦労は達成感に変わり、頑張る力になるという。

 仕事で気をつけているのは「イラストを見るお客さんのことを考えること」。例えば広告は何万人もの人が見る。「全員とおしゃべりはできないけど、みんなによろこんでもらえるようなものを描きたい」と言っていた。

 ●プロの道具でカード作り

 こども記者たちは、万野幸美さんの仕事用のペンや絵の具を使ってポストカードを作った。空と草原を描き、カードを開くと家が飛び出すしかけ付きだ。

 机には使ったことのないペンや絵の具、さまざまな太さの筆がならべられた。空を舞う雪や草原など、描くものによって絵の具を使い分けたことが印象的だった。これを仕事でしているプロは大変だと思った。

 紙に水をつけて、ふわっとした色をぬる方法を教えてもらった。絵の具をはじくインクをぬり、紙の白さを生かして雪も描いた。空にちがう色を重ねてぬると、きれいになるそうだ。今度絵を描くときは、万野さんのように絵の具をいろいろ混ぜて自分だけの色で表現したい。

PR

こどもタイムズ アクセスランキング

PR

注目のテーマ