「大病なく育った」 三男を虐待、遺棄致死疑いの両親 行政に説明

西日本新聞 社会面 御厨 尚陽 木村 知寛

 福岡県田川市で1歳4カ月の三男が昨年末に肺炎で死亡し、両親が保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕された事件で、両親が今年10月、行政に対し、三男への虐待を否定した上で「(小さくても)大きな病気もなく育った」と説明していたことが19日、関係者への取材で分かった。三男は死亡時、生後2~3カ月相当の発育で、両方の脚や腕に10カ所も骨折の痕があった。福岡地検は同日、保護責任者遺棄致死罪で両親を起訴した。

 起訴状によると、父常慶(じょうけい)雅則(24)と母藍(24)の両被告は、三男が重度の低栄養状態で10カ所骨折していたにもかかわらず、昨年11月中旬~下旬に計50時間自宅に置き去りにして外出したほか、診察や治療を受けさせず肺炎で死亡させたとされる。捜査関係者によると、2人は黙秘しているという。

 県警はエアガンのBB弾を三男に多数発射し約3週間のけがをさせたとして傷害容疑で両親を逮捕したが、地検は同日、傷害罪で雅則被告だけを起訴、藍被告は不起訴処分とした。

 捜査関係者によると、三男の体重は生後5カ月まで右肩上がりに増えた。最後に通院した生後8カ月ごろには増加は緩やかになり平均を下回っていたが、異常はなかった。死亡時は約5・6キロと生後2~3カ月相当の発育で、肋骨(ろっこつ)が浮き出るほど痩せていた。頭や顔など全身にBB弾によるとみられる傷があったという。

 関係者によると、三男の死後、長男と長女を保護した田川児童相談所(児相)は今年7月、生まれたばかりの次女の保護も決定。これに対し、雅則被告は10月中旬に反論書を提出した。

 反論書では「三男も長男と同じく同年代の子に比べて小さいが亡くなるまで自分のペースで育ってくれた」「小さいから、痩せているからと虐待の判断をしてほしくない」と主張。

 傷痕については「三男にかまっていると長男が焼きもちを焼いてたたいたのを何度も目撃した」とした。

 三男の遺体の司法解剖では、虐待を受けた子どもに多く見られる「胸腺」の顕著な萎縮が確認された。大阪府警警察医の河野朗久医師は「ストレスを受けるとホルモンが分泌され、胸腺が縮む」と話す。

 福岡新水巻病院(福岡県水巻町)小児科・産婦人科統括部長の白川嘉継医師は「一般的に適切な養育を受けていない子どもは身長や体重に成長の遅れが表れることがある」とした上で、「著しい低体重の状態は免疫力の低下につながり、肺炎などの感染症に陥りやすい」と指摘する。 (木村知寛、御厨尚陽)

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