トランプ大統領を弾劾訴追 米下院可決、史上3人目

西日本新聞 一面 田中 伸幸

 【ワシントン田中伸幸】米下院は18日夜(日本時間19日午前)の本会議で、トランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾訴追の決議案を野党民主党の賛成多数で可決した。来年1月にも上院で弾劾裁判が始まる。弾劾裁判では本会議出席議員の3分の2以上が賛成すればトランプ氏は有罪となり罷免されるが、上院は与党共和党が多数派で大量造反の動きはみられず、罷免に至らない公算が大きい。

 下院で弾劾訴追された米大統領はトランプ氏が3人目。過去の2人はいずれも上院で罷免を免れた。トランプ氏は18日夜、中西部ミシガン州の支持者集会で、弾劾訴追について「党利優先の行為だ。私は何の心配もしていない」と述べ、弾劾裁判での無罪判決に自信を示した。

 弾劾訴追決議で、憲法上の弾劾・罷免理由に規定される「重罪と不品行」に該当するとされたのは「権力乱用」と「議会妨害」の2条項。決議によると、トランプ氏は来年11月の大統領選で再選するため、ウクライナに対して軍事支援を見返りに政敵のバイデン前副大統領(民主党)に関する捜査を公表するよう求めるなどして権力を乱用した。また、下院の弾劾調査への文書提出や証言を拒否するよう政府職員らに指示し、下院の権限を妨げた。

 採決は権力乱用が賛成230、反対197、棄権1。議会妨害は賛成229、反対198、棄権1。賛成した共和党議員はいなかった一方、民主党は権力乱用で2人、議会妨害で3人が造反して反対に回った。

 米メディアによると、反対した民主党議員はいずれもトランプ氏が2016年の大統領選で勝利した地域の選出で支持層が一部トランプ氏と重なる。弾劾を巡る世論の賛否は拮抗(きっこう)しているが、最近の調査では弾劾反対が賛成を上回る結果が増え、トランプ氏の支持率も上昇傾向にある。造反議員は大統領選と同時に行われる下院選をにらみ、トランプ氏と競合する支持層の反発を恐れたとみられる。

 上院の弾劾裁判へ向け、トランプ氏が民主党との対決姿勢をさらに鮮明にする一方、共和党内の造反を阻止するため引き締めを強めるのは必至だ。民主党トップのペロシ下院議長は本会議後の会見で共和党が主導する弾劾裁判について「公正さが確保されることを望む」と述べ、トランプ氏や共和党を強くけん制した。

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