男女区別ない小学校制服「全国で初めてでは」 来春開校の統合小

 来年4月に学校統合で開校する福岡県みやま市の瀬高小は、性的少数者(LGBT)の児童の性自認に配慮し、性別に関係なく半ズボン、スカートのどちらを選んでもよい標準服(制服)を導入する。上着は男女共通のブレザーで、ズボンとスカートは長さがほぼ同じ。外見はほぼ見分けがつかないよう工夫されている。全国の中学校では同様の配慮が広がりつつあるが、小学校では他に例がないとみられる。

 瀬高小は、市内3校を統合して開校、児童数は約380人の見込み。新1年は新しい制服を着用し、新2~6年は買い替えまで統合前の各校の制服を着る。

 統合に向けた協議が行われていた昨年10月、3校の校長の1人で、現在は市教育委員会の藤岡育代指導主事が「新制服はLGBTに配慮すること」を提案。今年7月に導入が正式決定された。

 藤岡指導主事は「体の性と心の性の『性自認』が一致しないトランスジェンダーの方から『心の性と合わない制服を着るのが一番苦痛だった』と聞いたことがあった。配慮するべきだと考えた」と振り返る。

 瀬高小の制服を作成する明石スクールユニフォームカンパニー(岡山県)の担当者は「全国の2割強の小学校に制服があるが、性的少数者に配慮した制服は瀬高小が初めてではないか」と話す。文部科学省は「調査をしていないので把握していない。聞いたことはない」としている。

 文科省は2015年、児童生徒の性同一性障害や性的指向・性自認へのきめ細かな対応について各教委に通知。「自認する性別の制服・衣服や体操着の着用を認める」「職員トイレ・多目的トイレの利用を認める」などを例示している。

 みやま市の小中学校は、性的少数者への理解を深める教育に力を入れている。

 中学では来年4月から、福岡市立の69校中65校がブレザータイプでズボンやスカートを選べる制服を導入。北九州市立の全62校も、従来の制服に加えズボンとスカートを選べるブレザーの制服も採用する。 (野津原広中)

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少数者らへ理解推進を

 東優子・大阪府立大教授(ジェンダー研究)の話 制服はトランスジェンダーの人だけでなく、あらゆる児童生徒が直面するジェンダー表現の問題だ。規定の柔軟化、多様化は歓迎する。ただ「LGBTの子に配慮した」と強調すると「曲げられないものを特別に曲げた」と受け取られ、不満や非難が性的少数者に向かう恐れもある。誰も取りこぼさないインクルーシブ教育の一環だと学校が表明するのが望ましい。こうした配慮をきっかけに、貧困や人権問題など弱者や少数者に対する理解が進むことを期待する。

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