校内を“現代美術館”に 25、26日に来春閉校の大川・三又中 

西日本新聞 筑後版 大矢 和世

 学校統合のため、本年度いっぱいで閉校する福岡県大川市の三又中(同市中古賀、伊藤和広校長)で25、26の両日、一風変わった美術展が企画されている。九州を拠点に第一線で活躍する画家や現代美術家らが、教室や理科室など学校空間の中に作品を並べる「学校美術館」。学芸員として、美術家と話し合いながら展示方法を考えたり、鑑賞者に対し作品を紹介したりするのは3年の生徒たち33人だ。

 11月中旬、美術家12人と生徒たちが対面した。9月から作品写真を見たり文章を読むなどして準備を進めてきたが、初めて肉声を聞く機会。美術家1人に2、3人の生徒が付き、作品の成り立ちや込めた思いを聞き取った。

 故郷の水辺を精緻に描く池末満さん=久留米市=が「油彩は酸素を吸収しながら半年くらいで乾ききる」と話すと「えー、そんなに」と驚く生徒。空き教室では、神秘性を帯びた肖像画を描く塩月悠さん=長崎市=が「絵を使って、この空間をどう演出するかは自由だよ」と語りかけると生徒たちはうなずいた。

 学校美術館の取り組みは、三又中近くの同市立清力美術館の弥永(いよなが)隆広館長が提唱する。自身も美術家で、学校に美術家たちを紹介した。「子どもは美術を通して初めて『答えがない』ということに出合う。対話、交流をしながら変容し、人に伝えられるようになる」と教育効果を語る。

 モノクロの抽象画を描く酒井忠臣さんを担当する3年の久良木縞史(こうし)さん(14)は「素人で何も分からなかったけど、考えを元に構成したプロの絵なんだと知った。先生の思いを伝えたい」と意気込んでいた。

 学校美術館は25日午前10時~午後4時、26日午前10時~午後2時。他の参加美術家は以下の通り。

 大橋圭介、小川幸一、上川伸、栗田融(とおる)、黒岩俊哉、三枝孝司、武田総章(ふさあき)、山下耕平、和田千秋(敬称略、五十音順)

 (大矢和世)

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