原爆展を真珠湾で 長崎市と広島市、投下75年の来夏に企画

西日本新聞 一面 徳増 瑛子

 1941年に旧日本軍の奇襲で日米戦争の火ぶたが切られた米ハワイの真珠湾で来年夏、被爆地の長崎、広島両市が「原爆展」を開く方向で最終調整していることが分かった。これまで原爆を投下した米国をはじめ19カ国で開催しているが、被爆地と対比して語られる真珠湾では初めて。終戦から75年の節目の年、国境や人種を超えて恒久平和を訴える機会とする。

 原爆投下で壊滅した街、熱線でやけどを負った被爆者の姿を写真や証言映像で紹介する出張形式の企画展は、94年に長崎市が初めて「原爆展」と銘打ち佐賀市で開催。海外では長崎、広島両市が協力し、戦後50年となる95年の米ワシントンを皮切りにロシア、フランスなど核保有国を含め、計51都市で実施してきた。

 真珠湾での開催はかねて両市が企画し、現地と交渉を重ねてきた。多くの米軍人が犠牲になった真珠湾は「リメンバー・パールハーバー(真珠湾を忘れるな)」と語り継がれることが多く、両市関係者は「日米双方が歴史に学び、理解するきっかけにしたい」と願う。

 開催場所の候補としては、真珠湾の一角に係留され、終戦直後の9月2日に日本の無条件降伏の調印が行われた戦艦ミズーリが挙がっている。艦内の記念館では4年前、知覧特攻平和会館(鹿児島県)所蔵の遺影や遺書を並べた「神風展」が開かれ、今年6月には広島で被爆し12歳で亡くなった佐々木禎子さんの折り鶴が同艦に寄贈されるなど、米国内で根強かった原爆使用正当化論にも変化が表れている。

 来年の東京五輪の閉会式は8月9日の長崎原爆の日と重なっており、両市は五輪に合わせて東京と埼玉で原爆展を開くことも検討している。(徳増瑛子)

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