筑後川の河川敷ゴルフは素人でもOK 「近い、安い、難しくない」

西日本新聞 もっと九州面 吉井 剛

「川ポチャ」なんの、やみつきに…

 「(料金が)高い、(場所が)遠い、(プレーが)難しい」-。ゴルフなんて自分には縁のないスポーツだと思っていた。だが福岡県久留米市の筑後川の広大な河川敷には、そんな印象を吹き飛ばすお手軽なコースがあるらしい。「ゴルフができんやつは出世もできん」。そう断言した同期がいた。「一度やってみろよ。やみつきになるから」。上司の強い誘いもあり、ド素人が河川敷に繰り出してみた。

 久留米市役所そばにある久留米総局から、車でわずか10分弱。同市長門石1丁目の「リバーサイドパーク長門石ゴルフ場」に着いた。中心市街地からこんな近くにあるゴルフコースは珍しいらしい。

 さらに料金に驚く。平日の9ホールプレーはわずか1600円、18ホールなら2600円だ。クラブセットも500円でレンタル可能。これだけで初心者が始めの一歩を踏み出すハードルがぐっと下がる。

 取材当日は陽気もあって広い駐車場がほぼ満杯。やはり近さと安さの魅力から人気は高いようだ。

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 早速、ド素人記者(49)とスコア100ギリギリの上司(52)、ベテラン氏(78)の3人でコースへ。

 最初のホールは、河川敷へ下りる坂道の途中から第1打が始まる“打ち下ろし”のコースだ。川を渡るそよ風を受けながら人生初のティーショット…は大きく左にそれてしまった。しかし、グリーンの外からパターで転がした球が直接カップイン。これぞビギナーズラック。

 これに気をよくしたものの次のホールからは散々。

 川沿いに並んだホールは、打球が右にそれると即ポチャン。そちらに打ったらだめだと思うほど曲がるから不思議だ。2本の小川をまたぐ名物・川越えの4番ホールでは、川の向こう岸に当たったボールが跳ね返って足元まで戻ってくる始末。ベテラン氏でさえ豪快に川ポチャしており、なかなか手ごわい。

 全長は18ホールで計5220ヤード(約4800メートル)。通常のコースが6500ヤード程度だというから若干短い。それでも470ヤード超のホールもあり、上司も「距離もそこそこあるし、アプローチショットの練習にも最適」とご満悦だ。

 ド素人記者も、バンカー(砂場)や林などの障害物がなく、平たんなコースが続くだけに少しずつ慣れてきた。「安い、近い、(そんなに)難しくない」。まさに初心者にとって最適な条件がそろっている。

 一方で、河川敷ならではの川風に悩まされる日があるのも魅力という。ベテラン氏は「ゴルフの奥深さを味わえるし、平たんで高齢者に優しい。いいコースですよ」としみじみ。

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 時折、鉄橋を走り抜ける電車の音が遠くに響く。対岸にはジョギングコースを走る若者の姿も見える。見慣れた風景を背にクラブを振るうと、日常の中の非日常を味わう感覚だ。

 戦いすんで日が暮れて。大たたきしながら9ホールを終え、ふとスマホを見ると歩数はゆうに1万を超えていた。クラブハウスに向かう途中、オレンジ色の夕日が河川敷を柔らかく照らす。このまま近くの久留米温泉に寄ったら最高だろう。

 翌週。ド素人記者はついにクラブセットを購入したのであった-。(吉井剛)

 ▼リバーサイドパーク長門石ゴルフ場 筑後川河川敷の有効活用を目的に1984年オープン。久留米市の外郭団体「市都市公園管理センター」が運営する。身近なスポーツ施設として市民の健康増進に一役買っており、特にシニア層からの人気は絶大。土日祝日はハーフ2100円、18ホール3200円。70歳以上、女性、学生など各種割引あり。問い合わせ=0942(36)1045。

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